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【コラム】完ぺきな打者へ――鯉の四番・鈴木誠也の挑戦

 四番の風格が漂い始めている。5月14日、巨人戦(マツダスタジアム)。1対1の同点で迎えた6回裏一死二塁だった。打席に入った広島の四番・鈴木誠也は田口麗斗が3ボール1ストライクから投じた真ん中低めのスライダーを見逃さなかった。バット巧みにコントロールして確実にとらえると、打球は左翼2階席へ飛び込んだ。勝ち越しの8号2ラン。前日の先制適時打に続き、またも四番打者が試合を決めた。(8対1)。

 プロ4年目の昨季、2本のサヨナラアーチを含む3戦連続決勝弾を放つなど、衝撃的な活躍ぶりを緒方孝市監督に「神ってる」と称された鈴木。打率.335、29本塁打、95打点をマークして25年ぶりの優勝にも貢献した。しかし、まだ物足りない。「誠也に求めているのはレギュラーじゃない。日本一の打者だから」(東出輝裕コーチ)。周囲からの大きな期待に鈴木も応える気は十分だ。「僕は10割打者を目指したい。だから悔しい思いしかない」。完ぺきな打者を目指す過程で、四番に座ることは避けては通れない道だった。

 今季、開幕当初は五番だったが、4月11日、巨人戦(東京ドーム)で初めて四番に座った。ベテランの新井貴浩が休養日となり、その代わりに鈴木が打線の真ん中へ入ったのだが、背番号51はプレッシャーとも無縁だ。その試合で5打数3安打2打点と勝利に貢献し、徐々に四番での出場機会を増やしていく。ついには4月25日の巨人戦(マツダスタジアム)から四番が定位置となった。

 5月15日現在、21試合で出場した四番での成績は打率.321、6本塁打、20打点。10日のヤクルト戦(神宮)でも2本塁打を放ち、チームの連敗を4で止める〝四番の仕事〟を果たした(8対7)。「当たり前のように四番としてチームを救う一打を打ってくれるから頼もしい」緒方監督も称賛したが、本人に満足感はなく、さらなる成長だけを誓っている。

 入団時から純粋にバットを振り続けた。「気持ちが素直なんですよね。いい選手は素直な性格をしている。大事なことだと思いますね。ふて腐れることは絶対になかった」。道原裕幸寮長は、鈴木の性格についてこのように回想する。自分の可能性を信じて、ただ野球に対して真っすぐに向き合う。その姿勢は変わらない。漂い始めた四番の風格、きっとそれは近いうちに本物となるだろう。

 【文責:週刊ベースボール】