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【コラム】意識の高い選手がそろう交流戦王者・ソフトバンク

 勝ったほうが交流戦最高勝率球団に輝く運命の一戦となった6月18日の広島対ソフトバンク(マツダスタジアム)。3年連続7度目の最高勝率を狙うソフトバンクのスタメンは、開幕前には誰も想像しないものだった。一番に今季3度目のスタメンとなる福田秀平が入り、松田宣浩は4年ぶりの四番、六番には売出し中の上林誠知、七番には今季初スタメンの髙田知季、八番には昨季13試合出場の甲斐拓也、そして先発は今季2度目のマウンドの山田大樹――。

 内川聖一、デスパイネといった主力がケガで離脱し、苦渋の策であったが、逆にソフトバンクの選手層の厚さの証しでもあった。この試合、福田、松田、甲斐が2打点、髙田が1打点。選手の状態を見極める工藤公康監督の眼力も抜群だった。投手も7人つぎ込むなど早めの継投でピンチの芽を摘んだ。7対4で勝利を手にし、広島と同じ12勝6敗ながら、直接対決の勝ち越しで交流戦最高勝率が決定した。

 「選手が心を1つに、強い気持ちを持って戦ってくれた」と噛み締めるように指揮官は語った。精神的な強さ、それにプラスして高い意識を有しているのはソフトバンクの選手に共通している。

 例えば正捕手の座をつかみつつある24歳の甲斐は言う。

 「野球のことをずっと考えています。何も考えず、テレビを見ている時間とかないですから。家に帰ってからも、その日の試合の映像や相手の映像を見ています。野球以外に使う時間がないくらい。寝ていても野球の夢を見ています。ずっと野球です。そういう時間を持てていることが今、すごく幸せです」

 交流戦終了時点で打率.308、8本塁打をマークしている21歳の上林は「自分を客観的に見ることも大事だと思っています。冷静に見たときに分かるものが出てくることがあると考えているので。試合中、もちろん『打ちたい』『勝ちたい』という気持ちも必要ですが、常に冷静でいることも同じように大事です」と言う。

 三軍制を敷き、厳しい競争から勝ち抜いてきた若手は、技術はもちろん野球への取り組みなど意識の面でも自然と高まっていく。そこがソフトバンクの強みだ。心技体そろう若手がいるから、主力を欠いても簡単に下降線をたどることはない。6月23日から再開するレギュラーシーズン。現在パ・リーグの2位だが、ソフトバンクが優勝争いをけん引することは間違いない。

 【文責:週刊ベースボール】