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【コラム】約3年ぶりのセーブ!ベテラン左腕の覚悟

 「(先発の)バルデスがあれだけのピッチングをして、打たれたら僕だけじゃなく田島(慎二)もダメージを食らいますから」

 大ベテランはそっと言葉を紡いだ。6月23日、巨人戦(東京ドーム)。「変な胸騒ぎがあった」と中日の森繁和監督は、1対0とリードした9回裏二死一、二塁で巨人が代打・亀井善行を送ると、田島慎二を岩瀬仁紀に代えた。「久しぶりにいろいろなものを背負った」。奮い立った岩瀬は1ボール1ストライクからの3球目、シュートで亀井を二ゴロに仕留め、2014年7月31日以来のセーブを挙げた。

 2000年代の中日黄金期を支え、5度最多セーブ投手に輝き、歴代最多の402セーブを挙げた球史に残るクローザー。しかし、近年は左ヒジの故障もあり、15年は一軍登板なし、16年は15試合のみの登板に終わっていた。さらに、その2年、自らの存在価値と言えるセーブ数はゼロ。「402」からの上積みはなく今年の開幕を迎えたが、突然のセーブシチュエーションにもしっかりと仕事を果たした。

 不動心。チームの命運を握るクローザーを長く務めてきた男には強固な精神力があるように思えるが、実際は少し違う。岩瀬が250セーブを達成して名球会入りを果たした10年オフのことだ。名球会の先輩である佐々木主浩(元横浜ほか)、高津臣吾(元ヤクルトほか)と「250セーブトリオ」で座談会を行った。話題がクローザーに必要な資質となり、佐々木が「ちゃらんぽらんな性格」と即答。さらに「僕と高津の性格は適当なんだけど、岩瀬君は真面目過ぎる(笑)。そこが心配なんだよね」と続け、視線を岩瀬の顔へ移した。苦笑いの岩瀬は「僕は引きずるタイプ。失敗した場合、イヤなイメージは次のマウンドまで残っていますから」と否定することはなかった。

 だが、「クローザーをやめたいと思ったことは?」と話が転がっていくと、「それはありません」と岩瀬はきっぱり。「クローザーに転向してからは、居場所がここしかありませんから。逃げることはできませんし、クローザーをやめるときは、野球をやめるときだと思っています」と打って変わって力強い眼差しで覚悟を示していた。

 43歳を迎える今年。結果を残せなければ引退もやむを得ないシーズンだったが、6月25日現在13試合連続無失点。通算登板数は935試合を数え、歴代最多となる米田哲也(元阪急ほか)の949試合登板まで残り14試合に迫っている。ベテラン左腕はまだチームに必要な存在だ。したたかに自らの道を歩んでいく岩瀬。その覚悟を最後まで見届けたい。

 【文責:週刊ベースボール】