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【コラム】突っ走る広島を阪神、DeNAは止めることができるか

 セ・リーグは2年連続首位ターンの広島が連覇へ視界良好だ。先発では薮田和樹、岡田明丈らが台頭。昨季は不振の大瀬良大地も復調し、強力なローテを築いた。リリーフ陣もフル回転して打線の援護を引き出した。その打線は打撃好調の丸佳浩を筆頭に田中広輔、菊池涼介が中心。若き四番の鈴木誠也も不動の存在で、大砲のエルドレッドら下位打線も力を発揮。7月7日のヤクルト戦(神宮)では9回に新井貴浩の代打3ランなどで一挙6点を奪い9対8で逆転勝利を飾るなど劇的な試合も多く、チームとして勢いに乗っている。

 阪神は浮き沈みの激しい戦いとなったが、それでも貯金7で2位ターンを決めた。オリックスから移籍の糸井嘉男、四番に座る福留孝介、鳥谷敬のベテラン勢が好調で5月6日には首位に。しかし、ベテラン勢に疲れが見え始め調子が落ちると2位に転落。前半戦はベテラン勢の好不調が勝敗に直結していた。チーム防御率がリーグ1位と安定感抜群なだけに、積極起用されている若手野手がさらなる成長を見せれば、首位・広島と真っ向勝負ができる。

 3位のDeNAは10年ぶりに前半戦を勝ち越し、貯金2で後半戦を迎える。開幕直後はつまずいたが、6月末に勝率を5割に戻すと7月からは貯金生活に入った。復調した筒香嘉智を三番に置き、四番はロペス。五番には打率リーグ1位の宮﨑敏郎が座る打線は広島の強力打線と比較しても見劣りはしない。投手陣も石田健大が復調し、先発は厚みを増してきた。上位を追う態勢は整った。後半戦はDeNAがセ・リーグを面白くしてくれそうだ。

 4位に低迷している巨人の前半戦を象徴したのは球団ワーストを更新する13連敗だ。連敗中は2ケタ失点が2試合、3点差以内の敗戦が6試合と投打ともに噛み合わず。オフに獲得した新戦力がケガのため合流が遅れたり、期待された結果を残せなかったりしたのが要因の一つ。現在は投打ともに復調気配。特に強みは先発投手陣だ。菅野智之、田口麗斗、マイコラスは盤石。上位浮上は3本柱以外の先発でいかに勝利を稼げるかにかかっている。

 5位の中日は先発の軸として期待された吉見一起、大野雄大、若松駿太が前半戦は計4勝に終わる大誤算。しかし、鈴木翔太、柳裕也、小笠原慎之介ら若手がローテ入りし、苦しい台所事情を支えた。野手は新人の京田陽太が大健闘。一番に座り安打と盗塁を量産すると、三番の大島洋平、四番のゲレーロがかえす得点パターンを確立。少ないチャンスを生かす森繁和監督の方針が浸透しつつあり、5年ぶりのAクラスは可能性十分だ。

 ヤクルトは大型連敗を繰り返して最下位。最大の要因は故障者の続出だ。川端慎吾が椎間板ヘルニアで開幕アウト。開幕後も打では畠山和洋、バレンティンが故障離脱。バレンティンが復帰すると、今度は雄平が右手首骨折により長期離脱が確実となった。投手陣では小川泰弘、山中浩史が一時離脱し、クローザーの秋吉亮は右肩故障で今季絶望の見込み。野手では中村悠平(すでに復帰)、大引啓次も途中離脱と、万全にはほど遠い。球宴休み前にも今季2度目となる10連敗を喫した。不調にあえぐ山田哲人を中心に巻き返しを図りたい。

【文責:週刊ベースボール】