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【コラム】中村剛也の“伝説継続”で狙う西武の逆転優勝

 ペナントレースも勝負の8月に入ったが、優勝争いとともに熱くなるのがタイトル競争の行方だ。7月27日のオリックス戦(メットライフ)。ついにホームランキングの本命、西武の中村剛也がトップを走るソフトバンクの柳田悠岐に並んだ。

 1対0と最少リードで迎えた8回裏。二死走者なしで打席に立った中村は2球目を高々と打ち上げた。打球は球場の天井を直撃。落ちてきた打球を三塁側ベンチ前で捕手の伊藤光がキャッチしたが、判定はファウル。グラウンドルールでファウル地域上の天井に打球が当たった場合、ボールデッドとなるためだった。

 命拾いした中村はフルカウントから近藤一樹が投じた抜けたフォークを見逃さなかった。「ホームランだけを狙っていました」の言葉どおり、シャープなスイングから放たれた打球は左翼席上段へ飛び込んだ。リーグトップに立つ今季23号。秋山幸二が保持するメットライフドーム(西武球場)最多の通算168号アーチにもなった。29日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)で柳田が24号を放ち、7月31日現在、中村は楽天のウィーラー、日本ハムのレアードとともに本塁打ランキング2位だが、7月に9本塁打と猛チャージをかけた打撃は8月にさらなる量産を予感させる。

 規定打席に到達すれば必ず本塁打王になる男として知られる。昨年は右ヒザ痛に左股関節痛、腰痛などが重なり108試合の出場にとどまった。規定打席にも届かず、本塁打も21。体が万全ならやれる――。オフからトレーニングに多くの時間を費やし、体も絞った。その結果、今年は例年以上にコンディションが良く、7月31日現在、スタメンから外れたのは5試合のみ。打率はパ・リーグで下から4番目の.228だが開幕前、「もう1回、ホームランと打点にこだわりたい」と誓っていたとおり、66打点もリーグ3位の好成績だ。

 「僕の成績がチームの成績に直結する」と四番に座る自覚もさらに強めている中村。西武は21日の日本ハム戦(メットライフ)から9連勝中だ。首位・楽天、2位・ソフトバンクに7ゲーム差と背中は遠いが、優勝の可能性がついえたわけではない。中村がホームランキングを奪取して自らの伝説を継続させ、さらにチームも逆転優勝を決めてみせる。

 【文責:週刊ベースボール】