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【コラム】球史に残る記録を達成した3人のサウスポー

 先週はサウスポーが立て続けに球史に残る記録を達成した。まずは剛腕が魅せた。8月3日の楽天戦(メットライフ)に先発した西武の菊池雄星だ。5回、打席にウィーラーを迎えた場面。カウント1ボール2ストライクからの6球目。内角高めに投じた直球がうなりを上げてミットに突き刺さった。自身の記録を1キロ更新する日本人左腕最速の158キロ。ストライクとはならなかったが、剛球に助っ人もたじろいだ。続く144キロのスライダーで空振り三振。圧巻の投球を続け、8回1失点、11奪三振でチームを12連勝へ導いた。

 昨季固まった投球フォームがさらにしっかりと身に備わり、今季はピッチング内容が常に安定している。好調時には1試合を通して大方のストレートが150キロを超えるほどだ。土肥義弘投手コーチも「いいバランスで投げられていると思う。スピードだけじゃない。球にキレもあるし、今年は簡単に崩れない」と太鼓判を押す。

 以前、菊池は「一度、なってみたい選手は?」という質問に169.1キロのギネス記録を持つ世界最速左腕のアロルディス・チャップマン(ヤンキース)の名を挙げていたほどだ。

 「170キロの世界って、どんな感じなんでしょうね。楽しいだろうなと思いますよね」

 実際はチームの勝利が最優先で、スピードに固執しているわけではない。しかし、どこまで球速を伸ばすか。幻想を抱かずにいられないサウスポーだ。

 同日、パ・リーグ初の頂に到達したのが日本ハムの宮西尚生だ。ロッテ戦でプロ野球史上2人目の通算250ホールドを達成。プロ10年間で先発登板はゼロ。すべて救援投手としてマウンドに立ち続けた男は「中継ぎは目立ってはいけない仕事」という。中継ぎが表に出るのは逆転を許すなど、仕事を完遂できなかったときだ。役割を果たしても、取り上げられないことが多い。だが、それでいい。チームが勝つなら、スポットライトを浴びなくても満足できる。これが宮西の生き様だ。

 そして、中日の岩瀬仁紀だ。6日の巨人戦(東京ドーム)で史上最多の950試合登板を成し遂げた。2014年に左ヒジ痛。15年は登板がなく、16年は大不振。一度は引退を決めた。それでも、「再び輝きたかった」と現役続行し、今季はチームの戦力となりながら大記録を達成した。42歳のベテラン。メジャー記録は1252試合とまだ先だが、まずは1000試合登板を目指したい。

 【文責:週刊ベースボール】