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【コラム】横浜の街に歓喜を運ぶ熟練の助っ人スラッガー

 球団史上57年ぶりの快挙だった。3位・DeNAが首位・広島と激突した8月22日からの3連戦。そのすべてでDeNAはサヨナラ勝利を収めたが、これは大洋時代の1960年6月26日国鉄(現ヤクルト)戦から29日巨人戦にかけて以来で、同一カードでは初の快挙。本拠地・横浜スタジアムを埋めた満員のファンも歓喜に満ち、ラミレス監督も「シンジラレナイ!」と絶叫した。

 連日の劇的勝利の立役者の一人は四番に座るホセ・ロペスだった。22日の初戦、3点ビハインドの9回裏、筒香嘉智が1点差に迫る2ランを放った後、左翼席へ同点弾。続く宮﨑敏郎のサヨナラアーチを呼び込んだ。2戦目は9回裏二死、土壇場での一撃だった。前日に続く同点弾を左翼席へ。そして最終戦。3点ビハインドの6回裏、反撃のノロシを上げるソロアーチを左翼席へ放っていた。

 2013年、巨人入団。主軸を担い、2年間で40本塁打と数字を残したが自由契約となり、15年にDeNAへ。昨年は34本塁打を放ち、チーム初のクライマックスシリーズ(CS)進出に貢献。今季も8月28日現在、打率.304、26本塁打をマークし、打点はトップの鈴木誠也(広島)に2打点差の88打点と好成績をマーク。来日5年目を迎えたスラッガーのバッティングは円熟の域に達しつつある。

 「技術的な部分よりも、相手のことを知るようになったことが大きい。対戦する投手がどんな攻め方をしてくるのか、それにどう対処していくべきなのか、自分の中でプランを立てられるようになったことで成績が上がってきたんだ。過去の配球などをしっかりチェックしたりしてね」

 陽気な性格で、チームメートからは「チャモ(少年)さん」とスペイン語の愛称で親しまれているが、若手が中心のチームで精神的支柱としても欠かすことのできない存在だ。グラウンド、ベンチで状況に応じたアドバイスを送り、時には経験の浅い選手を心強い言葉で勇気づける。

 “ベイスターズブルー”にすっかり染まったロペス。「DeNAでキャリアを終えたい」と言う。昨年、CS進出を決め、横浜の街の盛り上がりを感じられたことは特別な経験だった。現在、2位・阪神には2.5ゲーム差に迫る。2位に入り、本拠地でのCS開催を実現することができたら、横浜の街が昨年以上の興奮に包まれることは間違いない。もちろん、優勝の可能性もまだある。

 「自分の成績より、大切なのはチームが勝つこと。横浜の街が昨年以上に盛り上がれるように、残りのシーズンを全力で戦っていくよ」

 3試合連続サヨナラ勝利以上の感動を横浜の街にもたらすために、ロペスはバットを振り続ける。

【文責:週刊ベースボール】