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【コラム】グラウンド内外で連覇へ欠かせない松山竜平

 チームに流れていた嫌な雰囲気を、そのバットで振り払った。8月30日の巨人戦(東京ドーム)、4対6と惜敗して優勝へのマジックが消滅した広島。翌日の同カードも1対3で敗れ、8月は12勝13敗2分けと負け越し。まだ、だいぶ有利とは言え、2位・阪神も好調で5.5ゲーム差と迫ってきていた。

 迎えた9月1日からのヤクルト3連戦(神宮)。四番に座った松山竜平が躍動した。初戦は1対0の7回二死一、二塁から左翼へ2点適時二塁打を放ち、3対2の勝利に貢献。2戦目も初回、一死一、二塁で右中間を破る適時二塁打で先制の2点をチームにもたらし、3対1の勝利に導いた。さらに3戦目。1点先制された直後の2回、先頭打者で打席に入るとすかさず同点弾を右翼席中段へ突き刺した。この一発がチームに勇気を与えて9対2と快勝、チームは3連勝を果たして息を吹き返した。

 “四番”不在の危機でもあった。8月23日のDeNA戦(横浜)で鈴木誠也が右中間への深い飛球を背走し、ジャンプしながら好捕したが、不自然な形で着地した途端に転倒。すぐさま担架で運ばれ、横浜市内の病院へ向かったが、診断結果は「右脛骨内果はく離骨折」の重傷だった。長期離脱を余儀なくされた主砲に代わり、ヤクルト3連戦では松山が四番に座ったが「誠也が安心して見ていられるように、4番目の打者としてやるだけ」と気負うことはなかった。

 「僕の中ではどの打順でも同じです。準備も変わらないし、試合に臨む気持ちも一緒。走者を置いた場面ではとにかくホームにかえすことを考えています。走者がいなければ出塁やつなぐことだけです」

 自らを「ザ・バッター」と称する松山。「守備、走塁はダメダメなので(苦笑)、打たないとこの世界では生き残れないと思っています」と自嘲気味に語るが、左打席から快打を飛ばす、そのバッティングは広島打線に欠かすことができない。

 9月4日現在、規定打席には到達していないが、打率.315、10本塁打、59打点をマーク。得点圏打率も.347と勝負強い。ヤクルト3連戦では試合前の円陣で菊池涼介から手渡されたヤクルトを一気飲みした。ムードメーカーとしても必要不可欠な存在だ。

 79、80年以来の連覇へ。松山は自らのできることをグラウンド内外で精いっぱいやっていくだけだ。

【文責:週刊ベースボール】