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【コラム】先を見据えるホークスV奪回の立役者

 背番号16が勝てば優勝が決まる大一番のマウンドで躍動した。9月16日、西武戦(メットライフ)。ソフトバンクの先発は、それまでチームトップの15勝を挙げている右腕、東浜巨だった。

 「マジック1の試合で投げられるのはプロで1度あるか、ないかでしょう。初回から飛ばして、3回で倒れてもいいと思って投げました」

 いつもと違う独特の雰囲気。2回裏、山川穂高に先制ソロを浴びたが動揺することはない。味方が4回表に2点を奪い逆転すると、その裏の二死から5者連続三振。150キロ台のストレートを軸にシンカー、カーブで相手を翻弄。西武打線を6回1失点に抑えて、自らの役割を果たした。チームは7対3で勝利。パ・リーグ史上最速で2年ぶり18度目の優勝を決めた。

 アマ時代から輝かしい野球人生を歩んできた東浜。沖縄尚学高では3年春のセンバツに出場し、5試合で防御率0.66を記録し優勝した。当時からプロの高評価を受けていたが、亜大へと進学。大学でも東都リーグ新記録の通算16完封を達成した。ドラフトでは3球団競合の末、1位でソフトバンクへ。2013年、大きな期待を受けてプロのユニフォームにソデを通したが、1年目は3勝、2年目は2勝と結果を出せずにもどかしい日々が続いた。

 転機となったのは15年、新しい指揮官に工藤公康監督が就任してからだ。東浜は「根本的なところから変えていかないと状況は何も変わらない」と腹をくくった。強化指定選手として徹底的に体幹や下半身強化などの直接指導を受け、オフには一念発起し、メジャー・リーガーも使うアメリカのトレーニング施設で2週間の自主トレを敢行。昨季も工藤監督は「鍛えながら投げさせる」と、先発ローテ投手としては異例の週3日のトレーニングを並行した。

 昨季は9勝をマーク。ただ、「ドラフト1位で取ってもらっている以上、2ケタを目の前にして到達できなかったことは悔しいです」と満足感は得られなかった。さらなる向上を胸に、トレーニングを続けた結果、今季大きな花を咲かせた。

 「自分が大きく変われたシーズンだと言えると思います。ピッチャーが苦しい状況になって、僕がやらなければ順位が下がってしまうというところに責任が変わっていきましたから。そういう意味ではやっと一軍で仕事ができている実感があります」

 V奪回の立役者となったが、もちろん視線は先を見据えている。

 「クライマックスシリーズや日本シリーズは短期決戦ですので、後先考えずにすべての力を注いで試合に臨み、チームが勝つために自分の役割が果たせたらと思います」

 すべての力を出し切って、チームを日本一へ導いてシーズンを終えるまで満足感は得られない。

【文責:週刊ベースボール】