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【コラム】極上のクライマックスへチームをけん引するハマの主砲

 その一発がチームを2年連続のクライマックスシリーズ(CS)へと導いた。

 10月1日広島戦(横浜)、DeNAの四番・筒香嘉智の打棒が爆発した。初回、三番・ロペスの先制2ランに続いて、スコアボード直撃の特大アーチを放つと、さらに7対7の同点で迎えた5回裏。「筒香が打ってCSを決めてくれると思い描いた」というラミレス監督の願いが現実となる。先頭打者で打席に入った筒香のフルスイングから放たれた打球は、右中間席最上段へ着弾する勝ち越しソロ。主砲の打撃に導かれ、チームは今季最多の1試合5本塁打を含む15安打を放ち、13対7と大勝。同日、4位・巨人が阪神に敗れたため3位が確定し、日本一への挑戦権を得る戦いにコマを進めることが決まった。

 2万8966人の大観衆が埋め尽くした横浜スタジアムで、「ファンの方と一緒に戦うことができました。感謝しています。必ず甲子園、広島でCSを勝ち抜いて、横浜スタジアムに帰ってきます」と高らかに“下克上”を宣言した筒香。本拠地で日本シリーズを戦うことを実現させるために、筒香の力が必要なのは言うまでもない。

 今年はキャプテンに就任して3年目。責任感は昨年以上だ。開幕前日のミーティングではナインの中心で「勝者にふさわしい発言、行動をしっかり取るようにしましょう。優勝するために。全員で戦っていきましょう」と力強く発言。4月下旬、開幕投手を務めた石田健大が左ヒジの違和感で離脱したときには「心も充実させてこい。心が100パーセントになったら帰って来いよ」と声をかけるなど、若手に的確なアドバイスを送った。シーズン最終盤、9月23日の試合前ミーティングでは、モチベーションビデオを流して「俺たちはファミリーだ」とチームをまとめ上げた。

 10月2日現在、打率.286、28本塁打、94打点。昨年、打撃2冠を手にした男の数字としては物足りないかもしれない。だが、結果が出ないときでも打撃が雑になることはなかった。「ボールを追いかけずに、ストライクゾーンを強くたたく」という意識はぶれなかった。

 息が抜けない、エキサイティングな戦いの日々が間もなくやって来る。極上のクライマックスを迎えるために。心技体に充実一途のハマの主砲がチームをけん引していく。

【文責:週刊ベースボール】