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【コラム】開幕直前!2018年パシフィック・リーグ展望

王者・ソフトバンクの牙城を 西武、楽天、オリックスが崩せるか

 昨季、2位・西武に13.5ゲームの大差をつけてパ・リーグの頂点に立ったソフトバンク。連覇を狙う今季も王者を中心にペナントレースが展開されることは間違いない。ソフトバンクはオープン戦では苦しんだ。5勝10敗1分けの10位に終わったが、先発陣がピリッとしなかった。和田毅は左肩違和感で復帰は5月になる見込み。東浜巨、バンデンハーク、武田翔太、開幕前最後の登板で結果を残せず。開幕投手に内定していた千賀滉大も3月23日の広島戦(ヤフオクドーム)で、右上腕の張りで3回緊急降板。さらにキャンプから捕手陣にもケガ人が続出し、頼れるのは甲斐拓也のみという状況だ。

 しかし、それでもソフトバンクには地力がある。サファテ、岩嵜翔を中心としたリリーフ陣に力があり、昨季のドラフト1位・田中正義ら若手の台頭も見込める。不安要素が隠れてしまうくらいの戦力を誇っているのが最大の強みだ。柳田悠岐、内川聖一、デスパイネを中心とした打撃陣は強力。チーム全体に巧みな走塁も徹底されており、“1対0”の投手戦でも、“10対9”の打撃戦でも勝てる試合巧者ぶりがある。

 西武、楽天、オリックスがソフトバンクを追い、Aクラス入りを激しく争うことになるか。ソフトバンクに引けを取らない強力打線が西武のストロングポイントだ。秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高、中村剛也ら長打力を誇る強打者に、源田壮亮、外崎修汰、金子侑司ら、いずれも盗塁王を狙える脚力を持つ打者が融合。さまざまな得点パターンを生み出せるのが相手にとって脅威だ。弱点と言われるのが先発投手陣だ。エースの菊池雄星は20勝を狙える力を持つが、2番手以降が不安。多和田真三郎ら、若手が成長しなければソフトバンクを追い抜くことはできない。

 楽天は投手陣が強力だ。則本昂大、岸孝之、美馬学の3本柱が今季も健在。さらに藤平尚真、池田隆英といった若手も台頭してきている。ブルペンもクローザーの松井裕樹を中心に盤石だ。打線も和製大砲として期待される内田靖人がオープン戦で4本塁打をマーク。シーズンでも好調をキープできれば大きい。重要課題としてキャンプから取り組んできた走塁面も改善されれば、ソフトバンクの牙城を崩すことができる。

 オリックスも投手陣が充実している。金子千尋、西勇輝、ディクソン、山岡泰輔の先発陣に社会人No.1の田嶋大樹が加わった。リリーフ陣もクローザーの平野佳寿がメジャーへ移籍したが、FAで日本ハムから増井浩俊が加入。勝算の立つ布陣が整っている。打線もロメロ、マレーロ、吉田正尚らの強打者に、オープン戦では高卒4年目の宗佑磨が「一番・中堅」で結果を残した。新人の山足達也ら機動力を使える選手もラインアップに入ってきそうで、打線に厚みが出てきた。

 戦力が手薄な昨季5位の日本ハム、6位のロッテは若手の成長にかける。日本ハムはオープン戦で若手野手が目立った。昨季ブレークした松本剛を筆頭に、「おにぎり君」の愛称で人気の横尾俊建は4本塁打をマーク。さらに左の大砲・森山恵佑、守備に定評のある太田賢吾も一軍レベルで戦える姿を示した。栗山英樹監督がどのようにチームを浮上させるか、その手腕にも注目が集まる。

 昨季限りで引退した井口資仁監督が新しく率いるロッテも打線は新鮮な顔ぶれとなりそうだ。藤岡裕大、菅野剛士の両新人が開幕スタメンに入りそうで、スピード感にあふれる野球を展開する。ただ、長打力は乏しい。新外国人のドミンゲスが日本の投手のタテの変化にまったく対応できないのが痛かった。涌井秀章、石川歩の先発2本柱も安定感を取り戻しつつあり、守り勝つ野球でパをかき回したい。

 【文責:週刊ベースボール】