• セントラル・リーグ
  • 阪神タイガース
  • 広島東洋カープ
  • 横浜DeNAベイスターズ
  • 読売ジャイアンツ
  • 東京ヤクルトスワローズ
  • 中日ドラゴンズ
  • パシフィック・リーグ
  • オリックス・バファローズ
  • 千葉ロッテマリーンズ
  • 福岡ソフトバンクホークス
  • 東北楽天ゴールデンイーグルス
  • 埼玉西武ライオンズ
  • 北海道日本ハムファイターズ
  • 侍ジャパン

日本野球機構オフィシャルサイト

ニュース

NPBニュース

【コラム】“奇跡”のサイクルヒット達成!強い意気込みで夢へ突き進む柳田悠岐

 「マジで奇跡。怖いです」

 福岡ソフトバンクの柳田悠岐は、いつものようなあっけらかんとした表情で言った。4月21日の北海道日本ハム戦(札幌ドーム)。三番に入った柳田は、まず第1打席で先発・有原航平から右中間にソロ本塁打で偉業への口火を切る。4回にセンター前、5回には中越えの二塁打で今季初の猛打賞とし、早くもサイクルヒットに王手をかけた。

 だが、最後に残ったのは最も難しい三塁打。実は柳田も最終打席に三塁打ならサイクルヒットという試合が過去4度もあった。迎えた6回の打席はセンター前への単打に終わっている。

 ラストチャンスは8回表。試合は9対0でソフトバンクの勝利は、ほぼ確定していた。あとは、自身の記録だけ考えればいい。マウンドには5番手・新垣勇人。その5球目だった。高めに浮いたフォークを柳田のバットがとらえると、打球は右中間を破った。

 ただ、センターの西川遥輝が打球に追いつき、送球態勢に入った際、まだ柳田はセカンドベース手前。普通なら止まるところだ。しかし、記録と点差もあって、柳田は一気に三塁へ向かう。送球はコースこそドンピシャながら、柳田の背中に当たってセーフ。サイクルヒットの快挙が成し遂げられた。

 2016年7月30日の阪神・福留孝介以来、プロ野球65人目で70度目の達成だった。ちなみに5安打目が三塁打だったのは、横浜(現DeNA)のローズが1995、97年に二度達成したのに続き、史上2人目、パ・リーグでは初の出来事だった。

 札幌の地で大暴れした柳田。今年はふたたび「トリプルスリー」の言葉も、その口から発せられている。3、4月の打率を見ると16年が.236、17年が.278、そして柳田がトリプルスリーを達成した15年は.350だった。

 「春先はピッチャーも状態が良いですし、そんなに簡単じゃないんですけどね。そこで打てるといいですけれど、野球はチームプレーでもありますから打てないときにも誰かが打ってくれるものだと信じて、僕はやれることをしっかりやっていきたいなと思います」とシーズン前に語っていたが、今年は4月23日現在、打率.333、4本塁打、6盗塁。2度目の「トリプルスリー」に向けて、好スタートを切ったのは間違いない。

 さらに日本代表への思いも高いモチベーションになる。今年3月には、3年ぶりに侍ジャパンに招集された。

 「オリンピックに出たいという気持ちがすごくあります。そのためにしっかりアピールしていきたいという気持ちで、3月の代表選はプレーしました。オリンピックまで2年ちょっとの期間がありますけど、もっともっとレベルアップして、そこに選ばれるように。それがモチベーションになっているので、その一歩目という感じでした」

 もちろん、チームの連覇が最大の目標である。いくつもの夢が原動力となっている柳田。サイクルヒットを達成して、攻守走で、さらに加速していくだけだ。

【文責:週刊ベースボール】