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【コラム】優れた修正力で新人王へ視界良好 オリックスの新人左腕・田嶋大樹

 新人の枠を越え、勝ち頭としてチームに欠かせぬ存在となっている。今季、ドラフト1位でオリックスに入団した左腕、田嶋大樹。5月20日の西武戦(ほっと神戸)で強打を誇る西武打線を7回無失点に抑え、チームトップタイの5勝目をマーク。「同じ相手にやられるわけにはいかない」と4月7日の初対戦で4回途中6失点KOされていた相手に対して、見事にリベンジも果たした。

 「分かっていても打たれないストレートを投げたい気持ちはあります。でも、やっぱり一番は勝てる投手が目標。そのために、何が必要か考えてやってきたので」と理想像を口にしているが、この日のピッチングがまさにそれ。独特な腕の振りから投じる150キロ超の直球に強打者たちがそろって振り遅れる。“分かっていても打たれないストレート”で“勝利”をしっかりと手にした。

 開幕前には「まずはシーズンを通して、しっかり投げ抜きたい。僕は、あまり多くのことを考えずに、目の前の試合を全力で投げてきました。それで打たれたら、自分の問題点を考えたいと思います」と話していたが、その“修正力”の高さも大きな武器だ。

 7日の西武戦では四球から崩れていたが、「プロでの引き出しをしっかり増やしていきたい」と前を向き、糧とすることを誓った。安定感を高めるために次回登板、19日のロッテ戦(ZOZOマリン)から無走者でもセットポジションに。左足でためを作るフォームに変えると、7回を投げて2安打、無四球で無失点の好投で2勝目を挙げた。

 躍動感あるフォームはすべて独学で築きあげてきたが、「誰かを参考にしたことはない」と著名な投手を手本にしたことはない。だからこそ、自らで考えてプロ用のフォームにキャンプで変更した。固いマウンド、滑りやすいボールから、踏み込み方や握る力の入れ方などを微調整。新人離れした左腕に、福良淳一監督も「楽しみな選手」と目を細めていた。

 社会人JR東日本時代の指揮官、堀井哲也監督は田嶋の最大の長所は“察知能力”にあるという。「『何のための練習か』と自分でしっかりと理解し、『これが必要』と考える力は、今まで指導してきた選手の中でも図抜けている」と称賛していたが、それが“修正力”にもつながっているのだろう。

 「いつも野手の方に援護していただいている。僕がゼロで抑えて野手の方にラクしてもらいたい」と力強く語る田嶋。優れた“修正力”があるから、目標としている2ケタ10勝、そして新人王へ、視界は良好だ。

【文責:週刊ベースボール】