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【コラム】大先輩の魂を胸に――。こだわり続けた居場所で奮闘する大瀬良大地

 シーズン序盤からセ・リーグ首位を走る広島だが、交流戦は7勝11敗と波に乗り切れなかった。交流戦前後では2位とのゲーム差4は変わらなかったが、嫌な雰囲気が漂っていたのは事実だ。再開するリーグ戦の初戦が重要になるのは間違いない。6月22日阪神戦(甲子園)、交流戦明けの大事な試合の先発を任された大瀬良大地も、それは当然分かっていた。「チームにいい流れを持ってきたい」と決意を込めてマウンドに向かったが、威風堂々のピッチングを繰り広げた。

 最速150キロと力のあるストレートを軸にカットボール、スライダー、カーブ、フォークなど多彩な変化球を織り交ぜ、阪神打線に的を絞らせない。3回、連打で二死一、二塁とされたのが唯一のピンチ。だが、慌てることなく北條史也を二ゴロに仕留めた。7回3安打無失点。三塁を踏ませないピッチングでチームに勝利を呼び込んだ。

 「野手にも助けられながら、試合を作ることができました」と笑顔を見せた大瀬良だが、これで両リーグ一番乗り、そして自己最多タイの10勝目。チーム64試合目での2ケタ勝利と、まだシーズンの折り返し地点に達していないから、単純計算で20勝も見えてくるペースだ。13試合の先発でクオリティー・スタートは10を数え、貯金も7を稼いでいる。チームの中心へと成長した姿を見せ、たくましさは頼もしい限りだ。

 今季でプロ5年目。しかし、ここまで順風満帆で歩んできたわけではない。1年目の2014年、先発として10勝をマークして新人王を獲得したが、15、16年と先発で力を発揮できず、チーム事情もあり中継ぎへ転向。だが、「小さいころからずっと先発でやってきましたし、まっさらなマウンドで投げたいという気持ちがある」と先発へのこだわりが心から消えることはなかった。リベンジを期した17年は先発ローテーションを守り抜き、再び2ケタ勝利をマーク。「『試合の責任の7、8割は先発にある』と教えられて、その責任感を持ってマウンドに立ちたいという思いもありますから」。先発で輝き続けたい――。強い信念が躍進の礎となっている。

 大先輩の魂も背負ってマウンドに立っている。背番号14は“炎のストッパー”と呼ばれ、80年代のチームを支えた故・津田恒実氏が着けていた背番号だ。「弱気は最大の敵」と自らに言い聞かせ、相手と真っ向勝負した右腕。うなる剛速球に誰もが魅了された。大瀬良はインスタグラムに「今日のお前は、お前らしく強気に投げられたかい? 登板後にはいつも、そう問いかけられているように感じます」とつづったこともある。大先輩に抱く畏敬の念。毎年シーズンの報告に、山口県周南市の墓石まで足も運んでいる。

 「次も投げるときはチームが勝てるように頑張ります」

 大黒柱としての気概は十分。こだわり続けた先発として、チームを3連覇に導くピッチングを見せ続ける。

【文責:週刊ベースボール】