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【コラム】西武が8年ぶりの前半戦首位ターンも5位までが勝率5割以上で混パは続く

 8年ぶりの前半戦首位ターンを決めたのが西武だ。12球団一の得点を誇る強力打線を前面に押し出し、開幕から派手な逆転劇を何度も演じた。秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高ら長打力を備えた打者だけでなく、源田壮亮、外崎修汰、金子侑司といった高い走力を誇る選手がラインアップに座るのが強み。さらに、個々の打者がつなぐ意識を備えていることも、ビッグイニングを生む要因となっていた。ただ、不安点がある。それは投手だ。チーム防御率4.30はリーグ最下位。しかも、リリーフ陣に限るとリーグワーストの4.96だ。開幕当初からリリーフ陣に名を連ねていた投手はすべて二軍落ちを経験。現在は先発で5勝を挙げていたカスティーヨがクローザーを務めているが、首脳陣から全幅の信頼は得られていない。辻発彦監督は「投手陣が課題だけど、これがチーム力。打線のつながりでカバーしたい」という。10年ぶりの優勝へ、前半戦同様、打線が爆発し続けなければいけない。

 2位で前半戦を終えた日本ハムは大谷翔平、増井浩俊らが抜け、開幕前は苦戦が予想されたが、12球団トップのチーム防御率3.48を誇った投手陣が奮闘。近藤健介、中田翔、大田泰示らで形成した打線も機能し、見事に下馬評を覆す快進撃を見せた。上沢直之、石川直也、横尾俊建ら次代のスター候補生も台頭。大混戦の様相を呈してきたパ・リーグの主役に躍り出ようとしている。後半戦は復調の兆しが見えるエースの有原航平、リードオフマンの西川遥輝の存在が大きなカギとなる。穴が少ない投打のバランスの良さ、また若いチームだけに勢いに乗ったときの爆発力も魅力。さらに黄金ルーキーの清宮幸太郎もファームで好調を維持しており、逆転Vへの起爆剤になる可能性を秘めている。

 王者もケガ人には勝てず――。前半戦3位のソフトバンクは先発陣が和田毅、千賀滉大、東浜巨、リリーフ陣が岩嵜翔、サファテといった計算できる投手がそろって故障離脱。さらにリーグワーストの先発陣防御率4.12とリリーフ陣への負担が際立つ形で前半戦を終えた。打撃陣も内川聖一、今宮健太が故障離脱し、松田宣浩、デスパイネといった主力も不調で粘り強い攻撃ができず、思うように勝ち星を積み重ねることができなかった。岩嵜ら復帰のメドが立たない選手もいるが、千賀、東浜、今宮らは後半戦、一軍の舞台に戻ってくる予定。ケガ人がラインアップに加わることにより安定した戦いを見せられれば、本来の強さを取り戻すだろう。

 ソフトバンクと同率3位のオリックスはリーグ2位のチーム防御率3.55が物語るように、投手陣の踏ん張りで4年ぶりに貯金生活で前半戦を終了。中でも8回・山本由伸、9回・増井浩俊の勝利の方程式に加え、同点時やビハインド時にも登板を重ねた吉田一将らの中継ぎ陣が奮闘し、上向かぬ打線をカバーした。ただ、交流戦の貯金の影響が大きく、パ5球団に対しては28勝31敗3分けと負け越しで、貯金を作っているのは対ロッテのみ。当然、後半戦での勝ち越しは上位浮上に欠かせないが、カギを握るのが打線だ。夏場は投手陣の疲労も溜まりやすいだけに、吉田正尚、ロメロらの長距離砲に、西野真弘、大城滉二らの巧打者が得点をいかに呼び込めるか。小谷野栄一、中島宏之、T-岡田が故障から復帰するまでの間、若手、中堅の活躍でチームを活気づけたい。

 ロッテは前半戦を終えて5位とはいえ、3位とゲーム差0の貯金2は健闘と言っていい。井口資仁新監督が長打に頼らない攻撃陣を構築。一番・荻野貴司、三番・中村奨吾が開幕から好調を保ち、ケガで出遅れた角中勝也が戦列に戻ると、打線は上昇気流に乗った。ここまでリーグ2位の80盗塁と足を絡めながら着実に得点をもぎ取っている。新人・藤岡裕大が一番としてケガで離脱した荻野貴の穴を埋め、覚醒した大砲・井上晴哉が前半戦の調子を維持できれば、さらなる得点力アップが見込める。とは言え、躍進の最大の要因は先発に二本の大きな柱ができていること。新助っ人のボルシンガーはリーグトップの11勝、昨季3勝に終わった石川歩は完全復活を遂げて同2位タイの9勝をマーク。後半戦に向け、エースたるべき涌井秀章が本来の姿を取り戻し、酒居知史、有吉優樹に唐川侑己、二木康太らが持てる力を発揮すれば、さらに安定した戦いが展開できるはず。最下位に終わった昨季からの巻き返し、Aクラス入りを狙う準備は整いつつある。

 借金20で前半戦を終え、パでは一人蚊帳の外といった状況となっている楽天。梨田昌孝監督が6月に辞任を表明し、平石洋介監督代行体制に移行。最下位からはい上がれるか。低迷の一因となっているのは、エース・則本昂大の不振だ。7月5日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)では6回4失点で約1カ月半ぶりの5勝目。それでも8敗と負けが先行。6日には軽度のコンディション不良で登録を抹消。また、6月15日に左手人さし指を剥離骨折して戦線を離脱したウィーラーは、すでに二軍で実戦復帰。投打の柱が戻ってきて初めて、反撃態勢が整えられそうだ。

【文責:週刊ベースボール】