【セCSファーストS回顧】巨人のエース・菅野智之が圧巻の投球 第2戦にノーヒットノーランでヤクルトを下す
セ・リーグ3位の巨人が同2位のヤクルトを2連勝で退け、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ進出を果たした。
10月13日の第1戦(神宮)はヤクルト・小川泰弘、巨人・今村信貴の先発で始まる。巨人は初回、田中俊太の四球と盗塁、マギーの右越え二塁打で一死二、三塁の好機を作ると、岡本和真の右犠飛により1点を先制する。一方のヤクルトは2回裏二死二塁から中村悠平の中越え適時二塁打で同点に追いついた。
それでも巨人は3回表一死から坂本勇人が左翼席への本塁打を放ち、すぐさま1点を勝ち越した。ヤクルトは5回裏二死から坂口智隆の左翼線二塁打で一打同点のチャンスを作る。すると、巨人・高橋由伸監督はここで上原浩治を投入。上原は得意のスプリットで山田哲人から三振を奪ってピンチを脱すると、続く6回も無安打に抑える好救援を見せた。流れを引き寄せた巨人は7回表無死一塁から陽岱鋼がヒットエンドランを成功させ、追加点を奪った。さらに一死三塁から代打・亀井善行の中前適時打で4点目を挙げている。
巨人は7回以降を畠世周、山口俊とつないでヤクルトの反撃を封じ、4対1で勝利。上原はCS史上最年長となる43歳6カ月での勝利投手となった。
10月14日の第2戦(神宮)の先発はヤクルト・原樹理と巨人・菅野智之。この試合でも先制したのは巨人だった。2回表二死から長野のソロ、4回表にはマギーのソロと亀井の2ランという本塁打攻勢で計4点を奪い、原をマウンドから引きずり下ろした。
この日の菅野にはこの援護で十分だった。初回、坂口、川端慎吾、山田哲と並ぶ強力打線を3者凡退に抑えて波に乗ると、その後も安打を許さず凡打の山を築いていく。完全試合ペースが続く中、7回二死から山田哲に四球を与えて初めて走者を許すも、動じる様子はない。続くバレンティンを曲がりの鋭いスライダーで空振り三振に斬って取り、燕打線の反撃を許さなかった。
迎えた9回、荒木貴裕を左飛、西田明央を右飛、坂口を中飛に打ち取りゲームセット。113球でCS史上初となる準完全試合、ノーヒットノーランを達成した菅野はガッツポーズで喜びを表し、捕手の小林誠司と抱き合う。そしてナインや高橋監督から祝福を受けた。巨人は4対0で勝利してヤクルトに2連勝し、3年ぶりとなるファイナルステージ進出。敵地・マツダスタジアムに乗り込み、リーグ3連覇の広島と戦う。
【文責:週刊ベースボール】