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【コラム】10年目で初のシーズン完走を誓うベテラン “下克上”を狙うロッテの切り込み隊長・荻野貴司

 初回に1点を先制された直後だった。8月24日、ZOZOマリンで行われたソフトバンク戦。ロッテのトップバッター・荻野貴司はフルカウントからの7球目、ミランダが投じた143キロ直球を強振した。風速8メートルの向かい風をものともせず、打球は左翼席へ着弾。今季5度目の先頭打者アーチで同点に追い付くと、勢いに乗った打線はこの回、4点を挙げた。さらに、続く2回にも5点を追加し、序盤で9対1と大量リード。このまま優位に試合を進め、9対5でロッテがソフトバンクを下して首位に連勝を果たした。

 打線の火付け役となった荻野。自身にとっては、初の2ケタ本塁打となる10号アーチでもあった。「うれしいです」とはにかんだ笑顔を見せたが、10年目にして試合、安打、二塁打、三塁打、本塁打、打点、盗塁、得点とあらゆる部門でキャリアハイを更新しており、年間の規定打席到達も確定させている。これまでは誰もが認める高いポテンシャルを秘めながら、たび重なるケガに悩まされ、一軍戦力として1年間を完走したことがなかった。昨季もシーズン中盤まで好調を維持しながら、7月に投球を右手に受けて骨折。早々と自らのシーズンの終わりが告げられた。

 「もちろん悔しい思いはありましたけど、次に復帰したときにどうやっていくかということを考えながらリハビリに取り組んでいました。できる部分のトレーニングだったり、しっかり次につながるような準備ですね。少しでも時間をムダにはしたくなかったので。故障での離脱という意味では、今までずっと周囲の期待を裏切り続けてきているので、今年こそはという思いは強いですね。毎年思っていることではあるのですが、今年でプロになって10年目、いい節目の年なので。例年以上に今年こそは、という思いは強いです」

 今年10月で34歳になるが、“断捨離”がベテランを変えた。「これまでは打てないと、試合後、居残り練習をしていましたけど、今は体のケアを優先し、通常の状態に戻すことを心掛けるようになりましたね」。試合後に練習を重ねて失敗を後悔するより、次の試合へ万全の準備をするよう考え方を変えた。結果、これが故障の予防につながり、パフォーマンスを上げている。

 8月26日現在、110試合に出場してリーグ4位の打率.309。鋭く体を回転させ、しっかりボールを引き込んで打つという従来のスタイルを貫き、結果を残している。セールスポイントの“足”ではリーグ3位タイの27盗塁をマーク。「塁に出れば行けるときは行こうと思っていますが、無理はしたくない。できるなら失敗はしたくないですから。時に勝負をかけることも必要ですけど、そのバランスをうまくとっていきたいなと思います」とあくまで数ではなく、勝利につながる盗塁を追い求めていく。

 ロッテは25日もソフトバンクを倒し、首位を3タテ。3位・楽天に1ゲーム差の4位につけている。残り試合も30試合を切ったシーズン最終盤、まだまだ上を狙っている。

 「昨年以上に負けていてもなんとか追いついて、逆転できるという雰囲気がチームにあります」

 ロッテの十八番である“下克上”を再び遂げるために、背番号0はシーズン最後まで走り続ける。

【文責:週刊ベースボール】