2007年8月10日
福岡ソフトバンクホークス株式会社に対し、制裁金750万円を科する。
リッキー・ガトームソン投手に対し、2007年8月10日から20日間の出場停止処分を科する。
リッキー・ガトームソン投手は2007年7月13日の対千葉ロッテ戦(千葉マリンスタジアム)において、 他の3選手とともにNPB(日本プロフェッショナル野球組織)ドーピング検査実施要項によって、検査対象選手となった。
試合終了後、4人の選手はNPB医事委員会の委員長でもある増島篤医師による検査に応じ、 ガトームソン投手には福岡ソフトバンクホークス球団から通訳が同席した。
4選手の検体は手続きに則って、同年7月17日、財団法人日本アンチ・ドーピング機構公認検査機関である三菱化学メディエンス株式会社に持ち込まれた。 その結果、検体番号145204のA検体から、隠蔽薬として禁止物質に指定されているフィナステリド(finasteride)が検出された、との検査結果報告書が、 同年7月31日付けで、NPB医事委員会に提出された。 検体番号を調べたところ、ガトームソン投手の検体であることがわかった。
NPB医事委員会は同年8月3日開かれたNPBアンチ・ドーピング特別委員会に検査結果を報告、 特別委員会委員である長谷川一雄NPBコミッショナー事務局長が翌4日、福岡ソフトバンクホークス球団の角田雅司球団代表に検査結果を通知することを決めた。
長谷川事務局長は4日、福岡ソフトバンクホークス球団の遠征先である仙台市内のホテルで角田代表と面会、ガトームソン投手の検体からフィナステリドが検出されたことを伝えた。 この物質は飲む発毛剤に含まれるものであることも説明した。
角田代表はただちにガトームソン投手に検査結果を伝えた。ガトームソン投手は、検査の際に同席した球団通訳を伴って、 角田代表同席のもと、長谷川事務局長と面会した。 その際、ガトームソン投手は毎日服用しているという発毛剤を容器とともに持参した。 長谷川事務局長が、ガトームソン投手の検体からフィナステリドが検出されたこと、今回はA検体の分析であるが、B検体も分析してもらうかどうかを聞いたところ、 ガトームソン投手は以下のような説明をした。
2日後の8月6日、ガトームソン投手は、検査に立ち会った通訳、角田代表とともに増島医事委員長、長谷川事務局長と東京都内のホテルで面会、改めて事情説明をした。 その内容は、8月4日に仙台市のホテルで長谷川事務局長に説明したことと同じだった。
こうした経緯を踏まえ、NPBアンチ・ドーピング特別委員会は
―― という事実を総合的に判断し、8月9日の委員会において、頭書の制裁を決めた。
以上