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【コラム】投打にスキのないソフトバンク。日本シリーズでもあるか、DeNA・ラミレス監督の大胆な采配

 リーグ制覇を果たし、2年ぶりの日本一を目指すソフトバンク。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも光ったのは中継ぎ陣の盤石さだった。5試合を通じて中継ぎ以降の失点は驚異のゼロ。絶対的守護神・サファテを筆頭に、リリーフ陣からの逆算で試合を組み立てる。レギュラーシーズンで先制した試合は73勝9敗と、先行逃げ切りには自信を持っている。

 加えて打線が上り調子で粘り強さが備わってきた。CSファイナルステージでは四番でキャプテンの内川聖一が4試合連続本塁打で打線をけん引し、中村晃も第3、4戦で2試合連続の決勝弾を放った。そして第5戦では柳田悠岐が電撃復帰。最後の最後になって、ベストの布陣で臨むことができる。長谷川勇也の復調も打線に厚みをもたらし、抜てきに応えた城所龍磨の存在は守備面も含め試合終盤での選手起用に柔軟さをもたらすはずだ。

 CSファイナルステージではやや不安定なところもあった先発陣だが、16勝で最多勝の東浜巨、勝率第一位投手に輝いた13勝の千賀滉大、やはり13勝をマークしたバンデンハーク、復帰以降は安定した投球を続ける和田毅、今季はケガに泣いたがCSファイナルステージ第5戦で抜群の投球を見せた武田翔太とコマはそろっている。強力リリーフ陣を後ろ盾に、序盤から飛ばしていけることも強みになるだろう。

 工藤公康監督も、キャプテン・内川も、「昨年、負けた瞬間から日本一だけを考えてやってきた」と口をそろえる。2年ぶりの日本一奪回へ。スキのない布陣と団結力で決戦に臨む。

 セ・リーグはシーズン3位のDeNAがCSファイナルステージで王者・広島を4勝2敗(広島は1勝のアドバンテージ)で下して19年ぶりの日本シリーズへとコマを進めた。レギュラーシーズンは強力打線で試合の流れを引き寄せる展開を得意としていたが、CSの短期決戦では投手力が安定。井納翔一、今永昇太、濵口遥大がしっかりと試合を作り、勝利につなげていった。不安視された中継ぎ陣も見違えるようだった。三上朋也、パットン、エスコバーがほぼ完ぺきな投球で僅差のリードを保ったまま、クローザー・山﨑康晃につなぐ理想的な展開。バトンを受けた山﨑康は、CS6勝のうち、すべての試合に登板し無失点と貫録の投球を披露している。

 CSファイナルステージは雨で試合が順延となり、先発ローテーションに余裕ができたこともあり、第4戦では先発の一角である今永を、第5戦では濵口を中継ぎで登板させる大胆な采配を見せたラミレス監督。短期決戦ならではの戦い方を日本シリーズの舞台でも見せたいところだろう。

 打撃では三番・ロペス、四番・筒香嘉智、五番・宮﨑敏郎のクリーンアップが振れているだけに、いかに走者をためて中軸に回すことができるかがカギとなる。CSと同様に一番・桑原将志と、二番に入る梶谷隆幸もしくは柴田竜拓の役割が大きくなるだろう。

 就任2年目で初めて日本シリーズで指揮を執るラミレス監督は「ベストを尽くして、必ず勝ちたい」と語っており、CSの勢いのそのままに日本一まで駆け上がるつもりだ。

【文責:週刊ベースボール】