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【コラム】開幕カードで大爆発!覚醒の時を迎えた巨人・岡本和真

 高々と打ち上げられた打球が、左翼席へ吸い込まれた。その瞬間、湧き上がった大歓声。軽くガッツポーズをした背番号25は、控えめに喜びながらホームへとかえっていった。4月1日、阪神戦(東京ドーム)、2点ビハインドの4回裏一死二、三塁で逆転3ランを放った巨人の岡本和真。前日の同カードでも1点リードの8回裏二死一、二塁で試合を決める1号3ランを左中間席へ。2試合連続でチームを勝利に導く一発。開幕戦こそ無安打に終わったが、静かに燃やした闘志の炎は消えていなかった。

 「(第3戦は)外野フライで1点が入る場面だったので、それを打てるボールを待っていました。打球が上がり過ぎたように感じたので、ホームランになるとは。良かったです」

 巨人で待望の若手スラッガーが覚醒の時を迎えそうだ。昨オフ、チームは通算360本塁打で、昨季も14本塁打をマークしていた村田修一(現BCL/栃木)を戦力外。若手選手を育成するチーム方針からだった。村田が着けていた背番号「25」を引き継いだ岡本にかかる期待は特に大きかった。

 近未来の四番候補という期待を受けて、2015年にドラフト1位で巨人に入団。1年目、シーズン終盤に一軍昇格し、初安打をホームランで記録。翌16年はイースタン・リーグ打点王、フレッシュオールスター&ファーム日本選手権MVPなど順調に力を伸ばした。しかし、昨季は初めて開幕を一軍で迎え、「七番・左翼」で開幕スタメンに名を連ねたものの、結果を残せず。二軍でも成績を落とし、苦しい1年となっていた。

 このまま終わってしまうんじゃないか――飛躍の時を迎えられない自らを省みたとき、本来のスイングができていないことに気が付いた。

 「目の前の結果を追い求めるのではなく、先につながるようにしようと思って強いスイングを心掛けるようにしました。自分が求められているものは何なのか、と。やっぱり、それは長打なので。長打を求めると、小手先だけのスイングでは絶対に無理ですからね」

 オフから、シーズンにかけて、「長打」「ホームラン」という発言が目立つようになった。球界きってのアーチストである西武・中村剛也と自主トレもともにし、「長距離を打てる人間は、フライでアウトになることを恐れるな」という金言を授かった。キャンプでは巨人OBの松井秀喜氏から軸足、下半身の使い方に関して徹底的に指導を受けた。

 それらが功を奏したのか、オープン戦では4本塁打をマークし、12球団トップの15打点。「六番・一塁」の座をつかみ取り、そして開幕カードで真価を発揮した。

 「自分に不信感を持ったら終わりです。そこが一番、大事かなと思います。ただ、油断はしません。今年は気を引き締めてやると決めているので」

 好スタートを切ったことが何よりも自信になる。あとは迷いなく、“巨砲”への道を突き進むだけだ。

【文責:週刊ベースボール】