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【コラム】27年ぶりの開幕8連勝!フルスイングで強力打線をけん引する埼玉西武の四番・山川穂高

 反撃の端緒を開いたのは四番のバットだった。4月8日のオリックス戦(メットライフ)、2点ビハインドで迎えた5回裏、先頭で打席に立った埼玉西武の山川穂高は山岡泰輔の真ん中低めのカットボールをとらえると、左中間を破る二塁打。続く森友哉の右前打で無死一、三塁となり、中村剛也の二ゴロ併殺の間にホームを踏んで1点差に迫った。

 そして、1対2のままで迎えた7回裏だ。またしても山川が先頭で左前打。四番の安打を皮切りに強力獅子打線は牙をむき、この回、一挙6点のビッグイニング。7対4と逆転勝ちを収め、球団27年ぶりの開幕8連勝を達成した。

 白星街道を突っ走るチームをけん引している一人が山川なのは間違いない。今季の成績は打率.379、3本塁打、9打点。何よりも得点圏では打率.750と無類の強さを見せているのが素晴らしい。

 山川の打撃の礎となっているのはフルスイングだ。最初に意識したのは中学時代だという。

 「硬式野球チームの監督さんが大久保勝也さん(現楽天スカウト)で、その方の教えが大きかったですね。チームを卒業するときの壮行会でも『お前は絶対にホームランバッターになれるから貫け』と」

 ただ、山川いわく、ひと口にフルスイングと言っても人それぞれだという。例えばチームの先輩・中村剛也は「力みのないフルスイング」。ひるがえって自身は「力みのあるフルスイング」。

 「浅村(栄斗)さんも森(友哉)も僕に近い。中村さんは力みがなくフィニッシュまで一定のスピードでブン!と振るというイメージ。僕はどっちかというと真っすぐが普通に来たときにはフルスイングを使わない。むしろタイミングが外れたときにフルスイングするんです。当てにいきたくないから」

 真っすぐは投球の軌道にバットを入れて、芯に当てれば勝手に飛ぶ。だから、強く振っているように見えるかもしれないが、山川の感覚では真っすぐを待って、読みどおりに来たらポンと当てるくらいの感覚だという。だが、読みが外れて変化球が投じられ、ポイントが若干ずれたときは当てただけではただの力のない打球となる。だから、そのときにこそ、フルスイングを使うイメージだ。

 「1日に4打席あるとして、自分のスイングができる打席は1回あるかないかだと思うんですよね。要するにフルスイングを使うときのほうが多い。何が来るか分からない。自分の嫌な球が来るときのほうが圧倒的に多い。その球に対して、体勢を崩されようが、詰まらされようが、バーンと振るのが僕の中のフルスイング、という考えがあります」

 打撃への探求心は人一倍のものがある。ホームランキングに輝く能力も十分。10年ぶりの頂点を目指す獅子軍団の中心で、山川は強打を発揮し続ける。

【文責:週刊ベースボール】