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【コラム】野球の申し子、菅野智之の復調とともにチームも上昇気流へ

 2年ぶりのチーム6連勝を導いたのはエースの快投だった。4月28日のヤクルト戦(東京ドーム)に先発した巨人・菅野智之。6日の同カード(神宮)で6回5失点と打ち込まれた燕打線に雪辱を誓ったマウンドだったが、この日はストレート主体のピッチングで付け入るスキを与えない。スコアボードにゼロ行進を描いていく。

 「今日のターニングポイントだった」と振り返ったのは2点リードの7回一死、打席に山田哲人を迎えた場面だった。四番・バレンティンの前に走者を出したくない。スライダーを多投しながら慎重に攻めていく。最後はフルカウントからの10球目、この日最速の152キロ直球で二邪飛に仕留めた。

 結局、自身最少タイの2安打での完封勝利。無四球で二塁を踏ませないピッチングにゲームセットの瞬間、マウンド上でグラブを叩いて歓喜の表情を見せた。だが一転、「まだベストな投球ではないし、まだまだ良くなる」と試合後は表情を引き締めた。

 昨季は最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得し、先発投手の最大の栄誉、沢村賞にも輝いた球界のエース。しかし、今季は開幕2連敗と予想外のスタートとなった。勝利から遠ざかっていた2週間。このときはグラウンドに行くのも、マウンドに上がるのも嫌な気分に陥ったという。

 しかし、自然と野球と向き合う自分がいた。7回5失点で敗戦投手となった阪神との開幕戦(東京ドーム)後。翌日の試合は後輩の田口麗斗が先発したが、「当分野球は見たくないし、考えたくもない」という心境だったのに、練習を終えると自然にテレビの前に座り、配球チャートを頭の中で思い描きながら試合を見ていた。自分だったらどうするか、この場面はこうしたほうが良かったのではないかと、細かに考えながら――。就寝前、「あっ、昨日、当分野球のことを考えるのをやめようと思っていたのに」と、われながら野球が好きだなと苦笑してしまったという。

 チームメートと食事に行っても、話す内容は野球ばかり。例えばクイックモーションに関して「こういう場面で、こういうふうにしたらどう思う?」と打者に新たなアイデアをぶつけてみたりする。よく「野球のお腹がすいた」という表現を使うそうだが、野球に関して深い話をしたくなると、先輩、後輩関係なく、食事に誘って野球にどっぷりとつかる時間を作っている。

 エースの復調とともに、チームも上昇気流を描き始めた。4月30日のヤクルト戦(東京ドーム)にも11対1と大勝し、6年ぶりの8連勝を達成。2014年以来の優勝へ向け、野球の申し子であるエースがチームをけん引していく。

【文責:週刊ベースボール】