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【コラム】チームに貴重な勝利をもたらした巨人新人・大城卓三の人生初のサヨナラ打

 「何としても1点取りたいと思った」

 打席に立った新人スラッガーは強く心に誓った。6月10日の西武戦(東京ドーム)。2対2の同点で迎えた9回裏、巨人の攻撃だった。先頭の岡本和真が投手強襲の内野安打で出塁すると、大ベテランの阿部慎之助が送りバント。その後、亀井善行の申告敬遠、陽岱鋼の三塁内野安打で満塁となり、小林誠司の代打に告げられたのが大城卓三だった。

 「阿部さんがつないで、先輩方もつないでくれましたから」

 チームの勝利への執念に奮い立った背番号46は西武の守護神・増田達至が投じた2ボール1ストライクからの4球目、145キロの内角低めのストレートを強振。鋭い打球が右翼手の頭を越えた一撃はチームに8カードぶりに勝ち越しをもたらし、5月18日以来の連勝、さらにセ・リーグ最下位を脱出する貴重なサヨナラ打となった。

 劇的打は野球人生初だったという大城。お立ち台では阿部の名ゼリフ「最高で~す!」を口にしてファンを喜ばせた。「打った瞬間、『抜けろ!』と思いました。とにかく使ってもらえたので、監督に勝利を届けたいと思った」と充実感はたっぷり。高橋由伸監督も「大城らしい、良い当たりだった」と目を細めた。

 今季、NTT西日本からドラフト3位で巨人に入団。捕手ながら、打力を買われて開幕一軍入りを果たした。チーム58試合終了時点で、その半分以上の31試合に出場。打率.290、2本塁打、9打点と順調に経験を重ねている。

 「先発に限らず、代打や試合途中からのマスクと起用法はさまざまなのですが、そのときに自分に何が求められているのかを考えて、自分のやるべきことをしっかり果たしたいと思います」

 魅力はやはりバッティングだ。軽々と打球をスタンドへ運ぶ豪打。187センチと大柄な左打者は新人らしからぬ雰囲気を打席から醸し出している。

 「初球から打ちにいって、広角に打てるところがセールスポイントだと思います。甘ければ大きいのも。でも、長打は狙って打っているわけではありません。強い打球を心掛けていますね。とにかく、目標は1年間、一軍でプレーし続けること。そのためにも1打席1打席、1試合1試合を大切に、でも積極的にやっていきたいですね」

 新鋭の躍動はチームに活気をもたらす。4年ぶりの優勝を目指す巨人の巻き返しに、大城の存在は必要不可欠だ。

【文責:週刊ベースボール】