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【コラム】スタンカ、マイコラスに並ぶ11連勝 ダルビッシュの助言で自信を得たロッテ・ボルシンガー

 助っ人右腕が球史に名を残す勝利を飾った。7月21日のオリックス戦(ZOZOマリン)に先発したボルシンガーだ。5回、吉田正尚に先制のソロ本塁打を浴びたが、丁寧なピッチングで追加点を与えない。すると味方打線もボルシンガーの好投に応え、7回に2点を挙げ逆転。ボルシンガーは8回1失点で両リーグトップの12勝目をマークしたが、これで11連勝となった。外国人では1964年スタンカ(南海)、2015年マイコラス(巨人)に続く史上3人目のシーズン連勝記録。さらに11試合で11勝は1970年成田文男、1985年村田兆治に並ぶ球団最多記録となった。

 「自分の力だけではない。チーム一体となって試合に臨んで、それぞれが努力した結果だと思います」と謙虚に喜びを表したボルシンガー。6月27日には長男・ルーク君が誕生。妻・ローレンさんは帰国せずに日本での出産を選択し、ボルシンガーも立ち会うことができた。「出産まで時間がかかったんだけど人生で一番素晴らしい、本当に幸せな瞬間だったよ。これからはルークのためにも、将来のことを考えながらしっかりと野球に取り組んでいきたい」と長男の存在が新しいモチベーションになっている。

 アーカンソー大から10年ドラフト15巡目でダイヤモンドバックスに入団。14年にメジャーデビューし、15年はドジャースに移籍して6勝をマーク。ブルージェイズを経て今季からロッテの一員となったが、なぜ、来日1年目から好結果を残せているのか。ナチュラルに動くボールと低めへと制球できるナックルカーブが効果抜群で、相手打者の研究と観察に裏打ちされている巧みなピッチングの組み立てがハマっているのが奏功。さらに、ダルビッシュ有(カブス)の存在も大きい。

 「ダルビッシュと一緒に自主トレができたのが良かった。僕もドジャースにいたことがあるし、同じテキサス州出身の(クレイトン・)カーショー(ドジャース)とは仲がいいんだ。だから、昨オフはテキサスでカーショーと自主トレをして、そこにはいろいろな選手が集まってくるんだけど、カーショーはダルビッシュのことも招待したんだ。天気が悪かったから大きな室内練習場で初めてダルビッシュとキャッチボールをさせてもらった。彼のボールを捕るのはちょっと怖かったけどね(笑)」

 その際、日本野球についていろいろとレクチャーを受けたという。持ち球であるナックルカーブについて話が及ぶと、ダルビッシュは「日本ではあまりそういうカーブを投げる投手はいない。そのカーブはすごく生きると思うし、特にマリンスタジアムの風を味方につければもっと生きてくる」とアドバイスしてくれたが、それが自信になった。

 日本での生活にも少しずつ慣れてきた。「食べ物ではラーメンが好き。いろいろなラーメン屋を探して楽しんでいる。日本ではバスや電車を乗り継いでいろいろな場所に行かなければならないけど、そういう交通機関も問題ないよ」と笑う。

 ボルシンガーの活躍もあって、7月22日現在、ロッテは首位・西武と5.5ゲーム差の3位とまだまだ優勝を狙える位置につけている。

 「ここから先の2カ月は自分にとっても、チームにとっても、とても大切になる。いい形で終えたいからね」

 チームを支える助っ人右腕は最後まで勝利を呼ぶピッチングを貫く。

【文責:週刊ベースボール】