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【コラム】山田哲人が自身3度目のトリプルスリーを確実に 次なるターゲットは日本球界初の「40・40」

 スタンドを埋め尽くした3万599人のファンの視線が、ランナーに出たこの男に注がれていた。8月31日の広島戦(神宮)の7回裏、左前安打でヤクルト・山田哲人が出塁。「2球目に走ると決めていた。イメージどおりに走れました」。完ぺきなスタートで二盗を成功させ、今シーズンの盗塁数が30に到達。この時点で打率.314、本塁打も30本をマークしており、プロ野球史上初で自身3度目となる「トリプルスリー」を確実なものにした。

 球史に名を刻む偉業達成の裏には、技術的部分での大きな変化と決断もあった。昨シーズン終了後からバッティングフォームの修正に着手。打率.247、24本塁打、78打点、14盗塁に終わり、山田にとってもブレーク後では最も苦しんだ1年となった。内角を厳しく攻められ、それを意識するあまりに上半身がいつの間にか投手寄りへと崩され、左肩の開きも早くなりバットも外側から出てしまっていた。

 「体が前に突っ込めばボールを長く見られないから間(ま)を取れなくなってしまう。軸にパワーを乗せて全部ボールに伝えたい。それを意識してバットをずっと振り込んできました」

 自らが理想に掲げる型を追い求め、素振りから全神経を「右足」に集中。バットを内側から出して大きなフォロースルーでボールを押し込むスイングを体に徹底的に染みこませた。まだ試行錯誤しながらだった前半戦は突出した数字は残せなかったが、夏の到来とともにこれまでの成果が結果となって表れ始める。7月9日の巨人戦(静岡)で自身初のサイクル安打を達成し、7月の成績は打率.425、7本塁打、18打点、8盗塁。文句なしで月間MVPに選出された。8月に入ってもその勢いは止まらず、ランディ・バース(阪神)の持つ日本記録にあと1に迫る12試合連続打点も記録した。

 そんな山田の次なるターゲットはメジャーで過去4人、日本球界では誰も達成していない「40・40(40本塁打、40盗塁)」。本人は「走れる場面があれば走っていきたいですけど、『40・40』まではいまは考えられない」と語るが、この男の底知れないポテンシャルを考えれば、決して夢物語の数字ではない。

 ファンの期待と夢も背負い、山田はどこまで「40・40」に近づけるのか。残り27試合。セ・リーグの台風の目となっているヤクルトのクライマックスシリーズ進出争いとともに、燕の主砲のバットと自慢のスピードからも目が離せない。

【文責:週刊ベースボール】