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【パCSファイナルS展望】得意の本拠地の一戦は西武有利か、ソフトバンクは総力戦で“下克上”を狙う

 10年ぶりの優勝を果たした西武は2011年以来のクライマックス(CS)シリーズファイナルステージに挑む。相手はソフトバンクだが、本拠地メットライフドームで戦えるメリットは大きい。今季、メットライフドームでのソフトバンク戦は9勝3敗と大きく勝ち越しているが、その要因は強力打線だ。12試合で計72得点。1試合平均6得点をたたき出し、平均4.2失点の投手陣をカバーしている。ファイナルステージもシーズン同様、強力打線を前面に押し出した戦いになっていくだろう。

 秋山翔吾、浅村栄斗、山川穂高ら勝負強く、長打を期待できるスラッガーに栗山巧、中村剛也といったベテランも健在。さらに源田壮亮、金子侑司、外崎修汰ら足で局面を打開できる選手が多いのも強みだ。打つだけでなく、足を使って攻撃を仕掛けるなど多彩な攻撃ができる。短期決戦でありがちな真価を発揮できぬままに終わる“逆シリーズ男”が出たとしても、十分にそれを補える戦力がそろっているのが強みだ。

 とはいえ、初戦は確実に取りたい。先発のエース・菊池雄星には大きな期待がかかる。プロ入り以来、0勝13敗とソフトバンクを苦手にしていたが、9月28日のレギュラーシーズンで7回3失点に抑えてソフトバンク相手に初勝利。もはや苦手意識はない。14日のセ・リーグCSファーストステージ第2戦で巨人・菅野智之がノーヒットノーランを達成したのを見て、「大舞台で結果を残せるのがエース」と刺激も受けた。菊池が勝利を飾れば、続く先発予定の多和田真三郎、榎田大樹にもプラスの波及効果を与えるのは間違いない。一気に3連勝で日本シリーズ進出を決める可能性も高まる。

 ソフトバンクは先発投手の出来がシリーズの行方を左右する。特にシーズン終盤は先発陣が早々とつかまる場面が多く見られただけに、この大一番で誰を持ってくるかは首脳陣も頭を悩ませるところではあったが、初戦をバンデンハーク、2戦目以降をミランダ、千賀滉大をそれぞれ中4日でマウンドに送る予定だ。特に今季はメットライフドームでの登板3試合すべてで完全KOされている千賀が、最後に意地を見せられるか。石川柊太、武田翔太に加え、高橋礼、大竹耕太郎とロングリリーフ要員は充実しており、試合展開次第ではCSファーストステージで見せた早めの継投策も有効だろう。驚異的な得点力を誇る西武打線に総力戦で挑む。

 打線は今季チーム202本塁打の爆発力を見せつけるように、日本ハムとのCSファーストステージでも一発で試合の流れを変えてきた。特にデスパイネが2打席連続を含む3ホーマーと絶好調だ。ここに昨季CS史上初の同一ステージ4試合連続本塁打を放った内川聖一が帰ってくる。勝負強さはチーム随一で、CSでは2011、15、17年と過去3度MVPに輝くなど短期決戦を知り尽くしたベテラン。V逸したチームの悔しさ、疲労性の体調不良などで長期離脱を余儀なくされた自身の悔しさを、主将のバットが晴らしてくれるはずだ。

 ファイナルステージに向けて「今までやってきた野球を信じてやることが、最も勝利に近い」と戦い方を再確認した工藤公康監督。自分たちの野球を貫き通し、日本シリーズへの切符をつかみにいく。

【文責:週刊ベースボール】