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【コラム】開幕直前!2019年パシフィック・リーグ展望

優勝候補の筆頭はソフトバンクで追随するのは西武、日本ハムか
若手が奮起すればオリックス、ロッテ、楽天にもチャンスあり

 昨季リーグ2位から日本一へと駆け上がったソフトバンクが優勝候補の筆頭だ。投打の層の厚さは群を抜くが優勝へのカギは先発陣か。ここ数年、離脱者が相次ぎ、昨季は62年ぶりに規定投球回到達者ゼロ。今季に向けて千賀滉大、東浜巨は1年間投げ抜くことを最低限の目標に掲げ、先発の柱としてチームを引っ張っていく覚悟がある。主砲・柳田悠岐を中心とする攻撃陣で気がかりなのは長期離脱が予想される中村晃の不在だ。この穴埋めを期待されるのが、中村晃に変わって左翼に入る可能性の高いグラシアル。長打力に勝負強さも兼ね備える助っ人が打線につながりをもたらせば、さらなる得点力アップが望める。

 連覇を狙う西武は炭谷銀仁朗、浅村栄斗、菊池雄星とVに貢献した主力3人が抜けた。新戦力の台頭が望まれたが開幕先発ローテに期待していた内海哲也、榎田大樹、松本航が離脱。シーズン序盤は苦しい戦いが予想される。昨季、球団史上最多の792得点を挙げた打線から打点王・浅村の名が消えたが、代わりに機動力のある選手を組み込むことができる。秋山翔吾、山川穂高、森友哉、外崎修汰らは健在なだけに高い得点力を望める打線であることは間違いない。昨季同様、攻撃陣が投手陣をカバーする戦いでシーズンを乗り切っていきたい。

 日本ハムも清宮幸太郎、マルティネスら投打の主力にケガ人が相次ぎ、ベストメンバーを組めない中での船出となる。それでもオープン戦で好調の西川遥輝、大田泰示の一、二番コンビに加え、“台湾の大王”王柏融もコンスタントに安打を重ねて存在感を発揮。近藤健介、中田翔らと形成するクリーンアップは力強い。投手陣の不安はブルペン。抑えの石川直也はオープン戦でも不安定さを露呈しただけにカギを握るのが秋吉亮に最速158キロ右腕のハンコック。新戦力の2人が抑えに回るケースも十分考えられ、栗山英樹監督の各選手の調子を見極めながらのフレキシブルな起用も覇権奪回へのポイントの1つだ。

 オリックスは金子弌大、西勇輝、中島宏之と相次いで主力が流出したが、投打ともに主軸は固まりつつある。不安視された先発陣は山岡泰輔、山本由伸、アルバース、東明大貴、松葉貴大、榊原翼の先発ローテーションが濃厚。救援陣も抑えの増井浩俊を筆頭に近藤大亮、吉田一将らと層は厚い。あとは、山本の先発再転向でセットアッパーを誰が務め上げるかに注目だ。野手は四番・吉田正尚に、新助っ人・メネセス、新人・頓宮裕真の長打を期待できる打者に加え、福田周平、西浦颯大と足を使える選手もおり、昨季、Bクラスの一因となった得点力不足を解消できるだけのメンバーはそろっている。ただ、投打ともに若手主体と経験不足が不安材料。連敗が続いたときに、いかに現状打破できるかが重要だ。

 ロッテは開幕投手に石川歩、2カード目の敵地初戦に涌井秀章を配し、カード頭をダブルエースで確実に取りにいく算段だ。昨季13勝のボルシンガーや有吉優樹、二木康太らの右腕に加え、新助っ人のブランドンや新人の小島和哉といった左腕が台頭してきたのも好材料。先発ローテの陣容は他球団に引けを取らない。攻撃陣はホームランラグーンの新設で外野フェンスが前にせり出した地の利を生かせるかがカギ。足を使える選手もそろうが、球場が狭くなったことで二塁打、三塁打は減る可能性がある。井上晴哉にレアード、バルガスが本塁打を量産して得点力の収支をプラスにしなければならない。藤原恭大ら若き才能が一気にポジションを奪うようであれば、リーグの台風の目になる可能性も秘めている。

 楽天の最大の誤算はエース・則本昂大の離脱だ。3月上旬に右ヒジのクリーニング手術を行い、前半戦での復帰は絶望的と見られている。則本昂に代わって開幕投手を務める岸孝之は順調に調整を続けているが、この右腕に続く存在がいないのが苦しいところ。キャリアのある美馬学、辛島航や、若い藤平尚真、安樂智大ら全員でその穴をカバーしたい。広島から移籍してきた福井優也も欠かせない存在と言えそうだ。攻撃陣は浅村栄斗、ブラッシュがクリーンアップとして期待される。ただし、得点力向上へは茂木栄五郎、田中和基、島内宏明ら既存の選手の奮起が必要になる。

【文責:週刊ベースボール】