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【コラム】「自分の可能性に期待します」ヤクルトの若きスラッガー、村上宗隆の存在感

 そのバッティングは本物だ。5月3日、ナゴヤドームで行われた中日対ヤクルト。5対0とヤクルトがリードして迎えた8回表、無死一塁で村上宗隆が打席に入った。福敬登が投じた内角高め、135キロのストレートをタイミング良く叩いた打球は広いナゴヤドームの右中間席へ飛び込んだ。「うまく反応してしっかりとらえることができました」と笑みを浮かべた村上。チームトップのバレンティンに並ぶ8号本塁打となり、7対2の勝利に貢献した。さらに、6日の阪神戦(神宮)でも2ランを放ち、チーム単独トップに躍り出ている。

 期待以上の働きと言っていいだろう。高卒2年目の今季、「六番・三塁」で開幕スタメンを果たすと5月6日現在、2位と躍進する燕軍団のキーマンとなっている。上半身のコンディション不良でバレンティンを欠く今、長打力のある村上の存在感は群を抜く。だが、本人は「レギュラーとして試合に出ているわけではなく、今は使ってもらっているという感覚なんです。早くレギュラーの座を自分の力でつかみ取りたい。その思いだけです」と謙虚な姿勢を崩さない。

 飛躍へのヒントは、オフの期間につかんだ。青木宣親の合同自主トレに参加。約2週間にわたり海外で共同生活をする中で、プロ野球選手としてあるべき姿を目の当たりにした。最高のお手本を見習う毎日を経て、心技体はひと回りたくましくなった。

 「初めて迎えたオフシーズンで、正直、何をしていいか分からなくて、不安だらけだったんです。そんなとき、青木さんのほうから声をかけていただいて。僕にとってはとても充実した時間でした。今こうして、ちょっとずつでも結果を残せているのは、あの自主トレがあったからだと思います。本当に考えさせられる時間が多かったです」

 2月の沖縄・浦添キャンプでは、連日泥にまみれ、レベルアップに励んだ。1日平均1000スイング。これまでノーステップだった打法を、キャンプイン後に早めに足を上げて待つ形に変えた。全体練習前の約1時間半の早出練習では、メトロノームに合わせてバットを振る姿も。石井琢朗打撃コーチは「スイングの再現性を高めてほしい」とその意図を語った。また、体幹を意識するために約1.5メートルの長尺バットを振り、トップをしっかりつくって打球に角度をつけるために、ノックバットを遠くへ放り投げるメニューにも取り組んだ。

 シーズンも1カ月以上が経過したが充実した日々を過ごしている。「僕の考え方としては起きているときがオンで、寝ているときがオフ。起きているときは常に野球のことを考えているし、寝ることでリフレッシュできるので、それでいいと思っています」という。オフの日に遊びに行くこともない。「出掛ける用事は散髪くらい」と笑う。

 「今は車を運転する寮生が一軍にいないので、神宮で試合があるときは電車通勤しています。誰かから声を掛けられることもないですよ。常に野球を第一に考えて行動し、野球のために必要なことをやるだけです。レギュラーになるためにやるべきことが多いので、とにかく毎日必死なんです」

 プロ入り前から何かと清宮幸太郎(日本ハム)、安田尚憲(ロッテ)と比較されてきたがライバルとして意識することはない。「自分の可能性に期待します」という背番号55は、ヤクルト、そして球界を代表するスラッガーへの道を一歩ずつ歩んでいく。

【文責:週刊ベースボール】