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【パCSファイナルS回顧】盤石の戦いでオリックスが3年連続日本シリーズ進出、59年ぶりの関西シリーズで熱戦誓う

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファーストステージで3位・ソフトバンクを2勝1敗で下した2位・ロッテと1位・オリックスの対決となった京セラD大阪でのファイナルステージ。オリックスがアドバンテージの1勝を含む4勝1敗でロッテを下して、3年連続で日本シリーズへの切符を手に入れた。

 レギュラーシーズンで2位・ロッテに15.5ゲーム差をつけた1位・オリックス。初戦は万全を期して史上初の3年連続“投手4冠”に輝いた山本由伸が先発した。しかし、初回にいきなり3失点。乱調気味の絶対的エースを打線が援護する。4回、二死一、二塁で紅林弘太郎が右中間へ2点適時二塁打を放つと、二死二塁からは宗佑磨が三塁線を抜ける同点打。山本は6回に荻野貴司の中前適時打で勝ち越しを許したが、その裏、味方打線がすぐに反撃する。無死一塁から杉本裕太郎が同点適時二塁打を放ち、無死一、三塁からは紅林が勝ち越し適時打を右前へ。この回、さらに2点追加するなど活発な打線が8対5の逆転勝利を呼んだ。山本は7回5失点と苦しんだが「野手の皆さんとリリーフのおかげで何とか勝てたので、とにかく感謝しています」。王者が底力を見せたゲームだった。

 第2戦はロッテが意地を見せた。初回、1点を先制するもその裏、先発のメルセデスが3点を奪われる。6回に二死一、二塁から岡大海の適時二塁打、二死二、三塁から安田尚憲の右前2点適時打で逆転に成功するも、7回に澤田圭佑が二死一塁からセデーニョに逆転2ランを浴びてしまう。ロッテは嫌な流れを払しょくできず、1点ビハインドのまま9回表へ。だが、土壇場で打線の集中力が増した。先頭の角中勝也が四球で出塁すると、安田がファウルで6球粘る。カウント2-2からの10球目、山岡泰輔のスライダーを強振すると打球は一塁ベースに当たって右翼線へ転がる同点二塁打。さらに一死三塁で山口航輝が追い込まれながらスライダーにしぶとく食らいつき決勝の中犠飛。6対5と鮮やかな逆転勝ちを演じた吉井理人監督は「投手事情を考えると延長は絶対に無理だった」と打線の奮起を称賛した。

 第3戦は両軍の投手陣が粘りのピッチングを見せる。オリックス先発の東晃平は初回、一死一、二塁のピンチを招くもポランコ、安田を遊飛、左飛に仕留める。ブルペンデーのロッテは初回に澤村拓一、2回に中森俊介が二死満塁と攻め立てられるも得点を許さない。その後もゼロ行進が続いたが、試合が動いたのは8回だった。オリックスはこの回からマウンドに上がった西村天裕から先頭の杉本が左翼へ二塁打を放つ。二死三塁となり、「絶対決めてやろうという気持ちで打席に入って、食らいつきました」という若月健矢がカウント2-2から外角低めのスプリットを左前に転がす適時打。0対0の均衡が破れると、二死一塁からは代打・頓宮裕真の二塁打で若月が転がるように本塁に滑り込む執念の走塁で2点目を挙げた。9回は平野佳寿がゼロで締め、オリックスが2対0で勝利。5投手を継ぎ込んでの完封リレーに中嶋聡監督は「こういう展開が似合いますね。これがウチの野球なんだろって」とチームの強みを再認識した。

 オリックスが王手をかけて迎えた第4戦、初回に主砲のバットが火を吹いた。一死一塁で森友哉がロッテ先発・種市篤暉から右翼席中段へ特大2ラン。「完璧でした!」と自画自賛する一発で試合の主導権を握る。6回には一死三塁から杉本が左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち追加点を挙げた。オリックス先発の宮城大弥は6回無失点の好投。8回に山﨑颯一郎、9回には平野佳が1点を奪われるも、3対2と1点差で逃げ切って日本シリーズ進出を決めた。「本当にしんどいゲームばかりだったので、ホッとしています」と安どの表情を見せた中嶋監督。4試合すべてを異なる先発打順で臨むなど、シーズンと同様の戦いを貫いた。MVPは4試合で14打数6安打、3打点、打率.429の杉本が選ばれた。阪神との日本シリーズは59年ぶり2度目の関西シリーズ。中嶋監督は「熱く盛り上げたいと思います」と熱戦を誓った。

【文責:週刊ベースボール】