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【SMBC日本シリーズ2023展望】阪神とオリックスが59年ぶりの「関西対決」、阪神は38年ぶり、オリックスは2年連続日本一目指して激突

 セ・リーグの覇者・阪神とパ・リーグの覇者・オリックスがCSファイナルステージを勝ち抜き、日本シリーズで対決する。共に関西に本拠地を置く球団同士が日本シリーズで対戦するのは、阪神と南海が対戦した1964年以来59年ぶりとなる。

 強力な投手陣を武器にペナントレースを独走した両球団のチームカラーは似ている。CSファイナルステージも危なげない戦いぶりだった。阪神は、CSファーストステージを勝ち抜いた2位・広島に3連勝。すべての試合で先制点を許したが動じない。試合をひっくり返すと強固な救援陣が抑えて逃げ切った。

 先発登板した村上頌樹、伊藤将司、大竹耕太郎は決して本調子ではなかったが、シーズンで結果を残した経験が大きな自信になっているのだろう。要所をきっちり抑えて試合をつくった。接戦に持ちこめば勝利の可能性がグッと高まる。救援陣は3試合で計9イニングを投げて無失点と完璧だった。桐敷拓馬、岩貞祐太、石井大智、島本浩也、ブルワーたちが役割を果たし、守護神・岩崎優が9回を締める。登板機会がなかったが加治屋蓮、及川雅貴も控えている。投手陣の安定感はセ・リーグの中で群を抜いている。

 打線はファイナルステージで全体的に低調だったが、恐怖の八番打者・木浪聖也の活躍が光った。第2戦で9回二死満塁の好機にサヨナラ打を放つなど、3試合で打率.500と大暴れし、MVPを獲得した。岡田彰布監督は3連勝の立役者として「投のMVP」に桐敷、「打のMVP」に木浪を指名。「甲子園では3試合あるのであと1週間もう1度打つほうも調子を上げて、もう一つ上のステージで勝ち上がれるように頑張りますので、(日本シリーズ初戦の)28日から応援よろしくお願いします」と力強く誓った。

 阪神は今年を含めてリーグ優勝に6度輝いているが、日本一は1985年の1度のみ。岡田監督、掛布雅之、バース、真弓明信を筆頭に破壊力抜群の打線で守備力も高かった。日本シリーズでは西武を4勝2敗で撃破。38年間の月日を経て、2度目の日本一を狙う。

 一方、オリックスはペナントレースで2位・ロッテに15.5ゲームの大差をつけて独走。リーグ3連覇を飾ったチームは常勝軍団の雰囲気が漂う。

 ロッテと対戦したCSファイナルステージでは、第1戦で絶対的エース・山本由伸が初回に3点を許すなど7回10安打5失点と珍しく打ち込まれたが、打線がチャンスをきっちりモノにして9安打8得点で逆転勝利。第2戦は1点リードの9回に登板した山岡泰輔が逆転を許して敗れたが、第3戦で負の流れをきっちり断ち切る。0対0の8回に若月健矢、頓宮裕真の連続適時打で2点を奪い緊迫した試合を制すると、第4戦も初回に森友哉の先制2ラン、6回に杉本裕太郎の適時二塁打で突き放して逃げ切った。

 投手陣は質、量共に阪神にまったく引けを取らない。先発陣は山本、宮城大弥、田嶋大樹、山﨑福也、東晃平と高性能の投手たちがそろう。今季9勝3敗、防御率1.61とブレークした山下舜平大は8月下旬に腰痛で戦線離脱したが、十分に戦える。救援陣も山岡、宇田川優希、阿部翔太、比嘉幹貴、ワゲスパック、平野佳寿に加え、9月下旬に左腸腰筋の筋損傷で抹消された山﨑颯一郎がCSから復帰したのが心強い。

 打線は今季首位打者に輝いた頓宮が左足甲の疲労骨折から復帰。9月中旬に離脱し、状態は万全でないがCSでは勝負強い打撃でチームの勝利に貢献した。森は西武で2度リーグ優勝を経験しているが、日本シリーズは初出場となる。大舞台で攻守の要として輝けるか。気になるのは杉本だ。CSに出場した4試合で打率.429、3打点の活躍でMVPに輝いたが、第4戦で8回に遊ゴロに仕留められた際の走塁で、左足首を痛めて負傷交代した。今季は打率.242、16本塁打、41打点と不本意な成績だったが、短期決戦の強さには定評がある。ヤクルトと対戦した昨年の日本シリーズでは第4戦と第6戦で決勝打を放つ活躍でMVPを受賞している。コンディションに心配を抱える中、日本シリーズに出場できるか。

 投手力が生命線という共通項を持つ阪神との戦いは、1点を争う拮抗した試合が続くことが予想される。中嶋聡監督は「タイガースの応援はすごいと思いますけど、(オリックスファンも)絶対に負けてないと思います。みなさんの応援がもっともっと必要になります。よろしくお願いします」とスタンドのファンに呼びかけた。2年連続日本一へ――。舞台は整った。

【文責:週刊ベースボール】