熊本では初の開催となる、夢の球宴「マイナビオールスターゲーム2018」第2戦が7月14日、快晴のリブワーク藤崎台球場にて開催された。
試合に先立って行われたホームランダービーは、今年度より2試合を通してのトーナメント方式(3分間で何本打てるか)に変わり、第1戦で決勝進出を決めていた筒香嘉智(DeNA)と、この日に行われた準々決勝、準決勝を勝ち抜いたバレンティン(ヤクルト)とのセ・リーグ決戦に。先攻の筒香が右翼スタンドを中心に8本のアーチをかけると、バレンティンも負けじと猛追。しかし、すでに2回戦を戦っているバレンティンには疲れも見え始め、7本と1本差に迫ったものの、ここでタイムアップ。筒香が2018年度のホームランダービー王者に輝いた。なお、ホームランダービー7戦を通して、打球の平均速度が一番速かった選手に贈呈される日産ノート e-POWER賞は柳田悠岐(ソフトバンク)が獲得している。
ド派手なホームランダービーとは一転して、試合は緊迫の展開に。この流れを作ったのが両先発右腕だ。まずはセの先発マウンドに立った菅野智之(巨人)。試合前に対戦したい打者に挙げていた柳田をプレーボール直後に迎えると、「全球ストレート勝負します」の宣言どおり、力で押して二塁ゴロに仕留め、続く外崎修汰を三振に。初回、2回を2四球のみに抑える貫禄のピッチングを見せた。パ・リーグ先発の岸孝之(楽天)も負けていない。1回裏には一死から青木宣親(ヤクルト)に二塁打を許すも、三番・ロペス、四番・筒香のDeNAコンビから連続三振を奪って切り抜け、2回裏も二死から宮﨑敏郎(DeNA)に中前へ運ばれたが、後続をしっかりと断った。
セの2番手・大瀬良大地(広島)、パの2番手・アルバース(オリックス)の好投もあり、スコアボードには4回裏まで8つのゼロが並んだが、試合が動いたのが5回表だ。パ打線がセ3番手の岩貞祐太(阪神)を攻める。この回、先頭の松田宣浩(ソフトバンク)が左翼への二塁打を放ち、バレンティンがファンブルをしている間に一気に三塁を陥れた好走塁がきっかけ。ここから源田壮亮(西武)が中堅への適時二塁打、甲斐拓也(ソフトバンク)が左翼への適時打と打線がつながり、3連打で2点の先制に成功した。
勢いに乗ったパ打線は6回表こそ球宴史上最年長登板となった上原浩治(巨人)に抑えられたが、まだまだ攻撃の手を緩めない。7回表には二死一、二塁の好機に代打に立った今江年晶(楽天)が右翼への適時打で1点を追加すると、8回表には山﨑康晃(DeNA)に襲い掛かり、二死一、三塁から柳田がナックルを左翼前に弾き返して加点。さらに二死一、二塁から浅村栄斗(西武)が中堅の頭上を越える二塁打でさらに1点を加え、勝負を決定付けた。
反撃したいセは7回まで散発の5安打と、パ投手陣の前に沈黙。8回裏に5番手の加治屋蓮(ソフトバンク)を攻め、無死二塁から糸原健斗(阪神)の左翼への適時二塁打で1点を返すのが精いっぱい。セはパの試合中盤から終盤に見せた集中打の前に屈し、「マイナビオールスターゲーム2018」はパの2連勝で幕を閉じた。
最優秀選手賞(MVP)には5回表に先制の適時打を放った源田が選ばれたが、名前を呼ばれて「ビックリしています」と驚きの表情。しかし、地元・九州(源田は大分出身)での活躍に「地味なヒット」としたものの、「自分らしさは出せたと思います」と表情を緩めた。また、敢闘選手賞には2回無失点のアルバース、途中出場ながら2安打1打点の浅村、セではただ1人、2安打を放った宮﨑が選ばれている。なお、宮﨑には2試合を通じて「ファンに夢と感動を届けた選手」として、マイナビ賞が贈られた。
2018年7月14日(土)
熊本 ◇開始 18:35 (2時間33分) ◇入場者 13,760
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
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パシフィック・リーグ | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 2 | 0 | 5 | 13 | 0 |
セントラル・リーグ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 7 | 2 |
[パ] | 岸(E)、アルバース(Bs)、石川(M)、上沢(F)、加治屋(H)、森(H) - 甲斐(H)、森(L) |
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[セ] | 菅野(G)、大瀬良(C)、岩貞(T)、上原(G)、石山(S)、山﨑(DB)、中﨑(C) - 小林(G)、中村(S) |