聖地・名所150選

静岡県伊東スタジアム跡

1952年に開場。三塁側スタンド横に宿泊施設があり、高校や大学野球チームの合宿が頻繁に行われた。プロ野球も東映が18年間春季キャンプを行い、1979年秋には長嶋茂雄監督の下、巨人の若手が地獄のキャンプを行ったことでも知られる。東映がキャンプを張っていた1967年2月。この年から打撃コーチに就任した飯島滋弥が、入団3年目、まだ粗削りだった大杉勝男選手にかけたセリフが「月に向かって打て」だった。飯島は街の電気屋を呼んでバックネットに裸電球を取り付けさせ、ナイター設備のないグラウンドで、夜間も選手に素振りをさせた。そして夜間練習では、バットスイングの時に脇が開かないよう荒縄で大杉の上体と両腕を肘のあたりで縛り付けると、「あの月に向かって打て!」と伊豆の空に浮かぶ月を指さしたという。