聖地・名所150選

広島県福山三菱電機球場跡

三菱電機福山工場の中にあった野球場。1リーグ時代の1948年に広島県初のプロ野球公式戦、南海−急映が「日本野球中国シリーズ」として行われた。企業の敷地内にある球場でプロ野球が行われたのは、三菱電機の他に富洲原(三重県)と高岡鐘紡(富山県)の3か所だけと希少だ。1950年2月17日には、セ・リーグに加盟した広島が、チーム結成初の紅白戦を行い、ペナントレースでは3月16日に5試合目の中日戦を開催。試合は2-5で敗れたが、四回裏に白石勝巳が中日・杉下茂からレフトスタンドに飛び込む本塁打。この一打がカープにとって記念の球団第1号ホームランだった。また、この試合に先発したのは19歳のルーキー・長谷川良平投手。身長167cmと野球選手としては小柄ながら、広島のエースとして活躍。通算197勝を挙げ「小さな大投手」と呼ばれた右腕は、この球場でプロとしての第一歩を踏み出した。