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【日本シリーズ展望】強力打線を擁する広島、ソフトバンク。投手陣の出来が明暗を分ける

 10月27日に開幕する日本シリーズは初顔合わせとなる広島対ソフトバンクの一戦となった。

 34年ぶりの日本一を目指す広島は、ペナントレースではやや不安定な投手陣を強力打線が支える形で勝ってきた。日本シリーズでも基本的な形は変わらないが、巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、主力先発投手が好調さを見せており、より安定した戦いが期待できる。

 野手は充実の布陣だ。チームの骨格は、基本的に一番から四番に並ぶ、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也の4人。守備でも二遊間とセンター、ライトを固めており、まずはこれら主力選手が本来の力を発揮できるかが第一になる。ここに主に六番を打つ俊足の左翼手・野間峻祥が加わる外野陣は鉄壁だ。

 攻撃では、捕手の會澤翼も打力があり、下位まで切れ目がないのが特徴。DH制があるパターンでも、左打者ならともにレギュラーシーズン3割を打った松山竜平、西川龍馬、右打者ならバティスタまたはメヒア、新井貴浩から一塁手とDHが選べ、不安はない。

 投手陣は、大瀬良大地、ジョンソン、九里亜蓮がCSで安定した投球を見せた。ここに野村祐輔、中村祐太が加わるか。救援陣は、一岡竜司、フランスア、中﨑翔太が中心になるが、レギュラーシーズンで先発だった速球派の岡田明丈の起用法も一つのカギ。

 チームの精神的支柱であった新井にとって最後のユニフォームとなる今季の日本シリーズ。「新井さんと一緒に日本一を」とチームは一丸となっている。

 CSファイナルステージ5戦で合計44得点を奪い、パ王者・西武を圧倒した打線がソフトバンクの強さを象徴している。特に上林誠知がCSファイナルステージで10打点をたたき出し、ポストシーズン同一シリーズ最多タイを記録する活躍を見せた。

 その他、主力の柳田悠岐、グラシアルはもちろん西田哲朗ら好調なワキ役も多く、CSでは松田宣浩が先発を外れるほど。代打、代走、守備固めと駒はそろう。離脱中の今宮健太もフェニックス・リーグでの実戦で状態を上げてきており、戻ってこられるとすれば、選手起用の選択肢はさらに増える。

 投手陣はCSで千賀滉大、東浜巨、バンデンハーク、ミランダの先発4枚を軸に、先発で実績もある石川柊太、武田翔太、大竹耕太郎を第2先発として待機。短期決戦ならではのシフトを敷いた工藤公康監督の采配はズバリ。日本シリーズでも、CS同様の“短期決戦スタイル”を継続し、後ろに備える嘉弥真新也、加治屋蓮、森唯斗の安定感抜群の3投手につないでいく。

 その中で、ポイントになるのが四死球。今季、四死球でランナーをためてからのホームランによる大量失点というケースが散見された。特に広島には丸を筆頭に選球眼に優れた選手が多いため、コントロールには注意したい。

 どちらのチームも打線が強力なだけに、投手陣の出来が明暗を分けるシリーズとなりそうだ。

【文責:週刊ベースボール】