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【コラム】国内FA権を獲得したヤクルト・バレンティン 「ボクはもう、“日本人”だからね」

 外角低め、ボール気味のスライダーを拾い上げて右前に落とした。8月18日の中日戦(神宮)。「四番・左翼」でスタメン出場したヤクルト・バレンティンは3回一死一、三塁で打席に立つとしぶとく先制打を放ってチームの勝利に貢献した。

 「良いところに落ちてくれたね」と笑顔を見せたバレンティン。豪快なスイングが魅力だが、それだけでなく時折、軽打も見せる。昨季は来日8年目にして初めて打点王にも輝いた。「イシイさん(石井琢朗打撃コーチ)からも常に『ランナーをかえしてくれ』と言われているので、ホームランばかりを狙うこともない。コーチの指示どおりの仕事ができたと思っている」と胸を張る。

 年々、バッティングで進化を見せるが、今オフにはターニングポイントに立つかもしれない。球団歴代最長の来日9年目を迎えた今年8月17日、出場選手登録日数が8年に到達。国内フリーエージェント権の取得条件を満たした。昨年のメッセンジャー(阪神)以来で、外国人選手では10人目。ヤクルトでは初だ。「ヤクルトは長くプレーしてきたし、大好きな球団」としながら、「オフにほかの選択肢も視野に入れながら考えたい」と移籍に含みを持たせた。

 2011年に来日し、いきなり31本塁打を放ちタイトルを獲得。そこから3年連続本塁打王の座に就いたが、最も印象に残っているのはやはり2013年、シーズン最多60本塁打をマークしたことだという。「一つ挙げるのはとても難しいけど、たくさんある思い出の中で一番感動した出来事かな。一生忘れられない記憶だ。本当にいろいろな感情が入り混じった状態だった。緊張もあるし、当然プレッシャーもあった。ただ、そんな中でも、日本記録にチャレンジする楽しさを感じていたことは確かだね」と当時を振り返る。

 FA権を取得したことで、来季からは外国人枠を外れ、“日本人”扱いとなる。異国の地で結果を残す秘訣は「その地の生活に慣れること、そして文化にアジャストすること」だという。「長いシーズン、生活があっての野球だから。日本をリスペクトすることが大事なんだ。そこでつまずく選手は、多くのストレスを感じてしまい、長くプレーすることはできないんじゃないかな。日本に溶け込み、日本のためにプレーすることが大事だと思う」と語る。

 いまや日本語もしっかりと理解している。「ボクがしゃべる日本語の中で好きな言葉は『オナカスイタ』と『ツカレタ』だよ。練習中によく使うよ。日本の食べ物も好き嫌いはないし、まったく問題ない。はっきり言ってボクはもう、“日本人”だからね」と笑う。

 今季は8月18日現在、リーグ6位タイの25本塁打、同8位タイの70打点をマーク。本塁打は1位の坂本勇人(巨人)と7本差、打点は1位の村上宗隆(ヤクルト)と13打点差となっている。残り試合を考えても、“逆転タイトル”は難しいかもしれないが、バレンティンの爆発力を考えれば不可能ではないようにも思う。来季の去就はさておき、まずは今季、ヤクルトの勝利のために一つでも多く、本塁打、打点を積み重ねるだけだ。

【文責:週刊ベースボール】