SMBC日本シリーズ2014第3戦を翌日に控えた10月27日、阪神の全体練習は休み、福岡ソフトバンクは移動日練習を行った。
阪神は移動日のこの日を完全休養日とし、福岡への移動のみにあてた。ただ、先発投手陣は甲子園球場での指名練習を行った。第1戦で好投したメッセンジャー、第2戦で好投しながらも敗戦投手になった能見篤史も練習に参加。そのほか第3戦先発の藤浪晋太郎、岩田稔、岩崎優の5名で行われた。
快晴の中10時30分に球場外野付近で練習開始。ランニングを始めようとしたが、前日の試合後に降った雨の影響なのか、急きょ室内練習場でのメニューに変更となった。ランニング、キャッチボール、ノックを受け、第4戦に先発が予想される岩田のみがブルペン入りし、12時に練習が終了した。1勝1敗で迎える重要な第3戦先発の藤浪は「まずは自分の仕事をしっかりやるだけです」とコメント。練習中は5人とも終始笑顔だった。
一方、本拠地・ヤフオクドームに戻った福岡ソフトバンクは、開始予定時刻の14時よりやや早めに練習を開始。地元での3試合を前に、調整の意味合いが強い、軽めの内容となった。まずは全員そろってのアップ。声を出しながら各自入念にストレッチ等を行った。
第3戦に先発の大隣憲司は、阪神との対戦を前に「(日本シリーズだと)あまり意識し過ぎてもよくない。一人ひとり集中して投げていきたい」と意気込みを語った。強打者・ゴメスに対しては「選球眼が良さそう。外のボールもある程度ついてきているようなので、内、外の出し入れを厳しくやっていきたい」と四番対策を口にした。リーグ優勝を決めた10月2日のオリックス戦(ヤフオクドーム)、北海道日本ハムとのCSファイナルステージ(同)など、ここ最近は大事な試合を任され、そして、結果を残している大隣。今回は、中7日と万全の状態で阪神との決戦に挑む。
アップ後、野手陣は打撃練習に励んだ。前日の第2戦で初回に先制打を放った内川聖一、4回に能見からソロ本塁打を放った李大浩、そして、シリーズ8打席目となった9回の打席でようやく初安打が出た松田宣浩らも、黙々とバットを振り込んだ。相手先発の阪神・藤浪をどう打ち崩すかが、第3戦のテーマとなりそうだ。
打撃練習の合い間にはノックも行った。グラウンドは甲子園の土から使い慣れた人工芝に。高いバウンドから地を這うような打球まで、人工芝の感触を確かめるようにノックを受けた。また、併殺プレーの確認も何度も繰り返し行った。
本拠地での決戦を前に選手会長の松田は、「クライマックスシリーズでしっかりと勝ち越したことが自信になっている。みんなの力でここまでくることができたので、日本一になりたいと思います」と意気込んだ。