社団法人日本野球機構は13日、宮崎市内のホテルでフェニックス・リーグに参加している12球団の若手選手、関係者ら約330名を対象に、球界全体で暴力団等の反社会的勢力を寄せ付けない体質を確保するための「プロ野球暴力団等排除活動講習会」を実施しました。
日本野球機構、12球団は2003年12月に「暴力団等排除宣言」し、12球団、球場が中心となってプロ野球暴力団等排除対策協議会を立ち上げました。
以来、これまでも暴力団等排除運動に力を入れておりましたが、今回の講習会は社団法人日本プロ野球選手会と提携し、さらに選手個々の暴排意識を高めることを目的にこの講習会を開催しました。
日本プロフェッショナル野球組織の加藤良三コミッショナー(社団法人日本野球機構会長)は
「球場での暴力団等排除についてはいい効果が出ている。ただ、選手そのものをもっと守る必要がある。相談しやすい環境などを作り、選手の皆さんを守るための最大限の力を尽くすが、自分自身の問題として取り組むことが大事だ。こういった講習会を通じていろいろ学んでいただきたい」とあいさつ。
今後、選手が相談しやすい窓口の設立など暴排運動をさらに推し進めていくことになりました。
講習会では講師の原哲也・暴追都民センター代表理事から「暴力団等の罠と罠にかからないための方策」「罠に潜む危険なシチュエーション」「罠にかかった場合の影響」「罠にかからないための平素の心構え」「罠にかかって要求を受けた際の対応」などや、具体例などが挙げられました。
また、その後、清野憲一・警視庁暴力団排除対策官、中沢淳一・宮崎県警組織犯罪対策課長らの話にも、選手たちは熱心に耳を傾けました。
12月2日には主力選手に対する講習会も開かれます。 また、講習会に参加できない選手に対してはパンフレットを作成し、全選手に配布し、徹底を図ることになりました。
◇加藤良三コミッショナー(社団法人日本野球機構会長)
プロ野球をさらに前進させるためにこの講習会を開催した。これまでもこういった活動は、日本のプロスポーツの先頭を切って大きな成果を収めてきたと思うが、これから選手が暴力団、反社会的勢力に巻き込まれないためにも、その体制を整備する必要がある。選手は財産であり、その財産を守るために最大限の努力をしたい。最終的には選手個々の責任にはなるが、その意識を高めるためにもこの講習会は役立ったと思う。
◇松原徹選手会事務局長(社団法人日本プロ野球選手会理事)
コミッショナー、12球団、選手会が一体となって選手を守り、野球界をますます発展させていこう、ということになった。本日は若手が主体となったが、今後は主力選手にも講習会を開催していく。子供たちや若い人たちのために、野球界がよりよくなるために選手たちが自覚を持ち、努力していくことが大切だと思います。
◇オリックス・赤田将吾選手
非常に有意義な時間でした。こういった講習会を開いていただいたことにより、暴力団との関わり合いなどの問題が身近に起こり得ることだと思った。事例などをお聞きすることですごく意識も高まった。プロ野球選手は社会的に非常に注目され、ファンに夢や希望を与える職業なのでこういったことについての問題意識を持ち、これからもプロ野球界を盛り上げていけたらいいと思う。
◇読売・大田泰示選手
すごく勉強になりましたし、プロ野球選手として自分の行動をもう一度見直すいい機会となった。
◇東京ヤクルト・赤川克紀選手
いろいろと勉強になることがたくさんあったので、これからは一人ひとりが自覚を持って行動していきたい。