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【セCSファイナルS回顧】投打に主役が躍動した巨人が阪神を寄せ付けずCSファイナルステージ突破!

 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで2位のDeNAを撃破し、勢いに乗る阪神がセ・リーグ王者の巨人に立ち向かった。しかし、レギュラーシーズンの力関係そのままに、第1戦に巨人が勝利したことでほぼ大勢が決する。第3戦こそ阪神が逆転勝ちしたものの、第2戦、第4戦と巨人が勝利し、アドバンテージの1勝を加えて4勝1敗。2013年以来となる6年ぶりの日本シリーズへの進出を決めた。

 第1戦の注目ポイントは、試合感覚の空いた巨人が阪神の勢いをどう止めるか。先制点の持つ意味は極めて大きかったが、今季、広島から巨人にFA移籍し、悲願の日本一にかける丸佳浩の一打がすべてだった。

 1回表の攻撃をしのいだ直後の攻撃だ。一番・亀井善行が四球で出塁も、二番・坂本勇人が併殺打に倒れ嫌なムードが漂ったが、続いて打席に入った丸が、阪神先発・望月惇志が投じた153キロのストレートをフルスイング。打球は左中間最深部に突き刺さり、巨人が価値ある先制点を挙げる。「3人で終わると流れ的にもイヤな感じになってしまう。結果的に勢いに乗っていけたと思う」と笑顔の丸に、四番の岡本和真もが左翼スタンドにソロを叩きこみ、流れをつかんだ。2回裏にも亀井、坂本勇の連続適時打で3点を奪い早々に試合を決めると、先発の山口俊が7回1/3を4安打1失点の好投。投打がガッチリと噛み合った巨人が第1戦を制した。

 第2戦は巨人の先発メルセデスのパフォーマンスがすべて。6回までテンポよく87球、三塁を踏ませないほぼ完璧な投球。7回は志願の続投で四番・マルテから始まる阪神打線を三者凡退に抑え、「低めに投げることと、強気で攻めの投球を心がけました」。メルセデスを第2戦の先発に抜擢した原辰徳監督も「今シーズン、一番(の出来)と言っていいでしょう。キレ、球速もありました」と笑顔。そんな左腕の投球に巨人打線も応える。初回、一番の亀井が二塁打で出てその後、無死一、三塁とすると、丸の併殺の間に先制。4回裏は先発に抜擢されたゲレーロに2ラン、5回裏は再び亀井の二塁打と坂本勇の四球で一死一、二塁とすると、相手バッテリーの虚を突く重盗でチャンスを広げ、丸の犠飛、岡本にも右前適時打で畳みかけて加点するなど、大技、小技を織り交ぜて2連勝とした。

 阪神が意地を見せたのが第3戦だ。取って取られてのシーソーゲーム。試合を決めたのは七番に座った虎の大砲・大山悠輔だった。6対6で迎えた9回表、先頭で打席に立つと、巨人6番手の中川皓太の4球目、低めスライダーをすくい上げて右翼席へ。「なんとか後ろにつなごうという気持ちで打席に入った」という一打は、値千金の勝ち越し弾に。最後は8回からイニングをまたいでの9回のマウンドとなった守護神・藤川球児が坂本勇、丸、岡本の上位打線を三者凡退で封じる完璧救援。負ければ終わりの背水の一戦で、39歳のベテランが見事な投球を見せた。

 台風による順延を挟んで迎えた第4戦は、四番の差が勝敗を分けた。先制したのは阪神だったが、1点ビハインドの5回裏、先頭で打席に立った巨人の四番・岡本がバックスクリーンに飛び込む同点弾。阪神先発の西勇輝は、4回まで1安打のほぼ完ぺきな投球で、巨人打線は攻略の糸口をつかめないでいたが、苦しいときの四番の一振りで試合を振り出しに。流れを変える、値千金の一打だったと言える。

 この日のハイライトはもう1つ。1対1で迎えた6回裏の巨人の攻撃だ。途中出場の山本泰寛の二塁打、亀井の犠打で作った一死三塁のチャンス。続く坂本勇は三振に倒れたが、二死から三番・丸が意表を突くセーフティースクイズ。原監督も「サインではありません。彼がフォア・ザ・チームで導き出した結果」と味方ベンチをもあざむいた大胆な発想で、巨人が勝ち越しに成功。7回にはゲレーロがダメ押しの2ランを放ち、最後はクローザーのデラロサが3人で締めて巨人がCSファイナルステージを突破した。

【文責=週刊ベースボール】