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【パCSファイナルS回顧】ソフトバンクが攻守走で西武を圧倒 2年連続で2位から日本シリーズへ

 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで楽天を2勝1敗で下した2位・ソフトバンクと王者・西武の対決となったファイナルステージ。公式戦での直接対決はソフトバンクの13勝12敗と勝敗が拮抗していただけに、ファイナルステージでも接戦が予想されたがソフトバンクが4連勝と西武を圧倒した。

 第1戦、明暗が分かれたのは8回表だった。1点リードで迎えた西武はセットアッパー・平井克典をマウンドへ。しかし一死から柳田悠岐、デスパイネに連打を浴び一、三塁のピンチを招く。ここで西武ベンチが動いた。「三振を取るなら彼だと思った」(辻発彦監督)と平良海馬を投入。思惑どおり、松田宣浩を156キロの直球で空振り三振に仕留める。次に勝負をかけたのはソフトバンクベンチ。CS通算歴代最多の51安打、10本塁打、30打点を誇る内川聖一の代打に長谷川勇也を送った。この策がズバリ。長谷川が同点打を放つと、さらに西武のバッテリーミスの間に一走の周東佑京が勝ち越しのホームを踏んだ。9回にも3点を追加したソフトバンクは8対4と見事な逆転勝ち。「この前(ファーストステージ)から監督の勘、采配が光っているからね」と王貞治球団会長も最敬礼する手腕を工藤公康監督が発揮して、ソフトバンクが1勝1敗のタイに持ち込んだ。

 第2戦も工藤監督のタクトが冴えた。ファーストステージ第1、2戦で無安打に終わり、第3戦、ファイナルステージ第1戦でスタメンを外れていた中村晃を五番に抜擢。すると背番号7が期待に応える。初回、二死一、三塁で今井達也のスライダーを右前に運ぶ先制適時打。さらに3回表無死二塁では今井の内角高め直球を右翼席に突き刺す2ランを放ち、ソフトバンクは5対0と序盤で大量リードを奪った。中盤以降、西武打線に追い上げられ、8回裏にはモイネロが2点差とされたが工藤監督は8回二死一塁から森唯斗の名前をコールした。守護神は9回もマウンドへ。今季1度しかない回またぎも西武打線に得点を許さず、8対6でソフトバンクの勝利。連勝で2勝1敗と勝ち越した。

 ソフトバンクの勢いは止まらない。3戦連続で初回に先制点を挙げたが第3戦はこの1点で十分だった。ソフトバンク先発の千賀滉大は1回裏、二死一、二塁のピンチを招くも外崎修汰を空振り三振。その後もエンジン全開だ。4回裏は無死一塁から、外崎、山川穂高、栗山巧を直球で3者連続三振。外崎は「良過ぎて何もできなかった」とうめいた。「一瞬でも気を抜くとすぐ5、6点入る打線」と千賀は気を抜かず、フォーク、スライダー、カットボールの制球も完ぺきで8回2安打無失点に西武打線を封じ込む。ソフトバンクは7対0と完勝し、3連勝で日本シリーズ進出に王手をかけた。

 台風19号の影響で12日の試合が中止となり、中1日で迎えたファイナル第4戦だがソフトバンクの勢いは止まらなかった。中でもバットが火を噴いたのは今宮健太。効果的な一発でチームに勝利をもたらした。まず0対0で迎えた3回表一死で左翼席中段へ先制ソロを放つと、次は3対2と1点差に追い上げられた直後の6回表だ。一死二塁で打席に入るとまたも左翼席へ叩き込む。さらに、3発目は9回表に飛び出した。一死一塁で3たび左翼席へ。CS史上初の1試合3本塁打で9対3とし、完全に西武の息の根を止めた。シリーズMVPにも選ばれた今宮は「本当にいいところで1本1本が打てました」と笑顔。攻守走がガッチリとかみ合って2年連続ファイナルステージで王者・西武を倒したソフトバンク。最高の状態で日本シリーズに挑む。

【文責=週刊ベースボール】