2018年9月21日
NPBアンチ・ドーピング調査裁定委員会が2018年8月9日に科した制裁処分を維持する。
(経緯)
上記について、貴殿より、NPB アンチ・ドーピング規程第12条1項に基づき、2018年8月22日付で異議申立てがされ、同年9月4日に貴殿に対し、弁明の機会が与えられた。
(アンチ・ドーピング規程違反について)
貴殿に対するドーピング検査は適正に行われ、その結果、chlortalidone (クロルタリドン)とfurosemide(フロセミド)が貴殿の尿検体から検出されたことは前記の制裁通知において認定された通りであり、これらの事実については、貴殿も争っていない。検出されたクロルタリドンとフロセミドはWADA禁止表国際基準の禁止物質「S5.利尿薬および隠ぺい薬」で指定されている禁止物質であり、貴殿に「アンチ・ドーピング規程違反」があったことが認められる。
(貴殿の弁明について)
貴殿は当弁明の機会において、意図的に服用したことはこれまでのキャリアにおいても一度もないとこれまでの主張を繰り返し、他方、検出された事実は動かせないこと、およびそれに対する制裁を受け入れるつもりであること、およびファンを始め球団、NPBおよび関係者への謝罪の意を述べた。
一方、摂取していた6種の製品を分析機関に依頼して成分分析をかけているが、その結果いかんにかかわらず、陽性であることならびに制裁内容に対して争うつもりはないことを述べた。成分分析の目的はあくまで禁止物質が貴殿の体内に入った経路を明らかにすることであり、それによってファンの方々へ説明をし、また現役を続行したいという強い願望を述べた。
しかしながら、当弁明の機会において、その成分分析の結果を提示することは間に合わなかった。
(処分選択の合理性について)
スポーツにおけるドーピングの重大性を考慮すれば、貴殿が、これまでにアンチ・ドーピング規程違反による制裁を受けたことがないこと、禁止物質を常習的に使用したことが認められないこと、使用していた医薬品やサプリメントなどに禁止物質が混入されていた可能性を否定できないこと、謝罪と心からの反省の意思を表明していることを考慮しても、その情状は軽いものということはできず、本件制裁はやむを得ないものと言わざるを得ない。
当委員会において議論および検討したが、本件制裁処分を見直すべきという結論に至らなかった。
よって、第1結論の通り判断する。
以上