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2022年プロ野球ファーム日本選手権

ゲームリポート

楽天が13安打8得点と打線爆発、2年ぶり2度目のファーム日本一

 10月8日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で「2022年プロ野球ファーム日本選手権」が開催された。ファームの日本一を懸けた頂上決戦に挑んだのは楽天と阪神。楽天はイースタン・リーグで開幕9連勝を飾るなど春先から首位を独走。2年ぶりの優勝を飾った。一方、阪神は4月に故障者が続出し、8月は新型コロナウイルスに選手が大量感染した影響で試合中止が相次いだが、ソフトバンクを振り切って昨季に続く連覇を果たした。

 試合は初回から動いた。初回に阪神の先頭打者・髙山俊が2ボールから真ん中に入った直球をジャストミートし、右翼席中段に飛び込む先制ソロ。この日は一軍がCSファーストステージ・DeNA戦(横浜)を戦っている。ベンチ入りメンバーから漏れた選手たちは悔しさが当然あるが、2年連続ファーム日本一に向けて士気は高い。髙山の一撃にベンチは盛り上がり、幸先良いスタートを切った。

 楽天の先発はドラフト5位右腕の松井友飛。今季イースタン・リーグで6勝1敗、防御率1.17をマーク。7月8日の西武戦(楽天生命パーク)で一軍初登板を飾った若手の成長株だ。初回に髙山に先頭打者アーチを浴び、さらに連打で無死二、三塁のピンチを背負うが、井上広大をカットボールで空振り三振、前川右京をチェンジアップで遊ゴロ、木浪聖也を空振り三振に抑えて最少失点で切り抜ける。

 楽天打線は初回一死二塁の好機で黒川史陽の遊飛に二塁走者・武藤敦貴が判断ミスで飛び出して併殺に。2回も一死一塁で横尾俊建が三ゴロ併殺打と、阪神の先発を務めたドラフト3位左腕・桐敷拓馬を打ち崩せなかったが、3回表に打者一巡の猛攻で試合をひっくり返す。

 一死満塁から渡邊佳明が2ストライクと追い込まれながらも、外角のスライダーを巧みなバットコントロールで左前にはじき返す2点適時打で逆転に成功。さらに、黒川も1ボール2ストライクから地面スレスレのチェンジアップを右前に運ぶ適時打、和田恋の右犠飛で桐敷をマウンドから引きずり下ろすと、救援した小川一平の暴投で5点目を奪った。

 5回表にさらに突き放す。二死二塁で小郷裕哉がフルカウントから小川の直球を豪快に振り抜いて右翼席に2ラン、さらに二死二塁から安田悠馬が3番手・及川雅貴のスライダーに食らいつき、二塁・遠藤成のグラブをはじく適時打で8点目を奪った。

 阪神は6回以降、救援陣が踏ん張る。変則サイド左腕の岩田将貴が三者連続三振、7回表も右サイドの岡留英貴が無死一、二塁のピンチを作ったが得点を許さない。8回表は馬場皐輔が三者凡退。9回表は森木大智が最速152キロの直球で無失点に抑える。だが、打線がつながりを欠いた。2回以降の得点は6回裏に前川が放った右越えソロのみ。平田勝男二軍監督がベンチで渋い表情を浮かべた。

 松井友は2回以降、威力十分の直球を主体に立ち直った。チェンジアップも低めに集めて連打を許さず、6回6安打2失点の粘投。先発の役割をきっちり果たす。7回裏は弓削隼人、8回裏は内星龍の継投策で無失点に切り抜け、9回裏は髙田萌生がマウンドへ。先頭の木浪に死球を与えたが、豊田寛を中飛、代打・中川勇斗を三ゴロ、遠藤を左飛に仕留めてゲームセット。楽天が8対2と快勝し、2年ぶり2度目のファーム日本一に輝いた。

 楽天の三木肇二軍監督は「素直にうれしく思います。(松井友は)少し緊張していたかもしれませんが、貴重な経験ができたと思う。日頃からコーチが選手に寄り添ってくれて、(打線は)つなぐことをテーマにしてやってきたので良かった。すべては通過点でゴールはないですが、みんなが目指すところは一軍。その目標に向けて引き続きやっていきたい」と誓った。

 最優秀選手賞は、逆転の2点適時打を含む猛打賞をマークした楽天の渡邊佳。「みんながつないでくれたので何とかかえしたいという気持ちで打ちました。みんなで日本一を取るということを言ってきたので取れて良かった」と声を弾ませた。優秀選手は先発で6回2失点と好投した楽天の松井友、先制の先頭打者アーチを放った阪神の髙山が選ばれた。

2022年プロ野球ファーム日本選手権

2022年10月8日(土)
宮崎 ◇開始 13:02 (3時間10分) ◇入場者 4,009人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
東北楽天ゴールデンイーグルス 0 0 5 0 3 0 0 0 0 8 13 1
阪神タイガース 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2 7 0
バッテリー
【楽】 松井友弓削髙田萌 ‐ 安田堀内
【神】 桐敷小川及川岩田岡留馬場森木 ‐ 藤田片山
本塁打
[楽] 小郷 (5回2ラン 小川)
[神] 髙山 (1回ソロ 松井友)、前川 (6回ソロ 松井友)