日本野球機構オフィシャルサイト

ヤクルト・橋本星哉が2安打4打点でMVP、打線爆発のイースタンが完封リレーで7対0の勝利

　7月20日、ウインク球場（姫路市立姫路球場）で「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2024」が行われた。兵庫では1977年の西宮開催以来47年ぶり、姫路では初開催だ。注目の先発はイースタンが兵庫県出身の坂井陽翔（楽天）、ウエスタンが前田悠伍（ソフトバンク）と高卒ルーキー同士の対決となった。

　坂井は7球すべてストレートを選択。佐藤啓介（広島）を中飛、辻本倫太郎（中日）を一飛に打ち取ると最後は笹川吉康（ソフトバンク）を高めのストレートで空振り三振に仕留めた。「高校のときから（この球場で）投げていたので、気持ちよく投げました」と坂井は笑顔を見せた。前田悠も16球中、13球がストレートでイースタン打線を三者凡退。「真っすぐのガチの勝負を見たいんじゃないかなという思いも込めて、真っすぐを多めに投げました」と充実した表情で振り返った。

　2回表からイースタンのマウンドに上がった吉野光樹（DeNA）は2つの三振を奪う好投で三者凡退。その裏、ウエスタン二番手の土生翔太（中日）は安田悠馬（楽天）、橋本星哉（ヤクルト）に連打を浴びて無死一、三塁のピンチを招くが小池智也（オイシックス）を空振り三振、阪口樂（日本ハム）を二ゴロ併殺打でピンチを脱した。

　3回表もイースタン三番手の森下瑠大（DeNA）がゼロで切り抜けると、その裏、チームメートの石上泰輝（DeNA）が魅せた。二死から打席に入ると川瀬堅斗（オリックス）の内角ストレートをフルスイング。打球は右翼ポール際に飛び込む先制ソロとなった。「ちょっと詰まって入るかなと思ったけど、ギリギリ入って良かったです」。石上は一塁ベースを回ったところでガッツポーズ。球場は大歓声に包まれた。イースタンは4回裏にも斉藤優汰（広島）から寺地隆成（ロッテ）、安田の連打で無死一、三塁のチャンスをつくると橋本の中犠飛で1点追加。2対0とリードを広げた。

　反撃したいウエスタンだが5回表は上田大河（西武）、6回表は上村知輝（オイシックス）の前に得点を奪えない。7回表は二死から福島圭音（阪神）が松本健吾（ヤクルト）のストレートを叩いて中前打。さらに二盗を決めて二死二塁とチャンスを広げたが横山聖哉（オリックス）が左飛に倒れて、再びスコアボードに「0」を刻んだ。するとその裏、先頭の進藤勇也（日本ハム）が椎葉剛（阪神）の真ん中ストレートをジャストミート。左翼席へ一直線に飛び込むアーチでイースタンが3対0に。8回表にはウエスタン防御率1位の1.46を誇る前田純（ソフトバンク）を一死満塁と攻め立てると橋本が走者一掃の適時二塁打。さらに進藤が適時二塁打を放ち、イースタンはこの回一挙4点を挙げて点差を広げた。

　ゼロでつないできたイースタンは9回表、松浦慶斗（日本ハム）がマウンドへ。廣瀨隆太（ソフトバンク）、増田将馬（くふうハヤテ）を一ゴロに仕留めると、最後はブライト健太（中日）から空振り三振を奪い、激しくガッツポーズ。9人の継投でウエスタンをゼロに封じ、2ケタ安打を放ったイースタンが7対0で2年ぶりの勝利。通算成績はイースタンの23勝30敗6分となった。

　最優秀選手賞（MVP）には2安打4打点の橋本が輝いた。「（兵庫出身で）地元ということもあり、たくさんのファンの皆さんの声援に力をもらいました」と充実した表情を見せた。また、優秀選手賞は本塁打を放った進藤と石上が受賞。次世代のヒーローたちがハツラツとしたプレーで球場に詰めかけた約1万1000人の大観衆を魅了した。