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【リポート】史上初の試みとなるプロ志望高校生合同練習会を甲子園で開催

 2020年8月29日、30日に『プロ志望高校生合同練習会』が西日本会場となった兵庫県の阪神甲子園球場で行われた(東日本会場は9月5日、6日に東京ドームで行われる)。

 この練習会は、一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益財団法人日本高等学校野球連盟が主催。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、第92回選抜高等学校野球大会と各都道府県の春季大会ならびに第102回全国高等学校野球選手権大会と地方大会が中止となったために開催されることになった。
 プロ野球入りを目指しながら実力を披露することが困難となった高校3年生の進路活動の一環として開催が決定された。視察機会の平等性を確保するため、合同練習会にはNPBのスカウト、関係者のほか、アマチュア球界や独立リーグの関係者もスタンドに足を運び、日本球界全体で高校3年生をサポートするという体制が取られて開催された。

 高校野球の聖地である甲子園球場に集まったのは、西日本会場に振り分けられた77人の選手たち。大型右腕の山下舜平大(福岡大大濠)らドラフト上位指名候補とも評される選手たちから、まったくの無名ながらこの練習会で一躍表舞台に上がろうとする選手まで多くのプロを志望する選手たちがやってきた。

 両日ともにAグループとBグループに分かれ、1日目はフリー打撃とシートノック(投手の希望者はブルペンで投球練習)、2日目は投手と打者による実戦形式のシート打撃(※)を中心に行われた。

※1ボール1ストライクから行い、投手が5人もしくは6人の打者、打者が3人の投手と対戦。

 打撃で力強さが目立ったのは漁府輝羽(おかやま山陽)や寺本聖一(広島商)ら。漁府は1日目のフリー打撃で右打席から力強い当たりを放ってレフトスタンドに打球を運び、2日目のシート打撃ではフェンス直撃の二塁打を放った。また、寺本はシート打撃で左中間を破る二塁打とセンター前への当たりを好判断で二塁打にするなど、パワーとスピードの両面をアピール。漁府は「高校野球の聖地で野球ができて楽しかったです」、寺本は「甲子園で思いきりプレーができました」と、ともに充実の表情を見せた。
 守備面では内野手では奥村真大(龍谷大平安)、中山礼都(中京大中京)、土田龍空(近江)、岡本大翔(米子東)らが軽快な動きを見せ、外野手では西川拓馬(柳ヶ浦)や早真之介(京都国際)がスピードのある動きや送球を披露。さらに捕手では譽田貴之(福岡工大城東)が二塁への好送球だけでなく、打っても左中間への二塁打を放つなど大きな存在感を見せた。

 そして投手では山下舜平大(福岡大大濠)が「甲子園でできることに感動しました」と、この日登板した全投手の中で最速となる150キロを計測したストレートとカーブのみで打者をねじ伏せ、前評判通りの高い能力を遺憾無く発揮。桑原秀侍(神村学園)も山下に続く148キロのストレートとブレーキの効いた変化球ともに思いきり腕を振って投げ分け、投げっぷりの良さが光った。
 他にも全国区の知名度が無かった松木平優太(精華)、福島章太(倉敷工)、久保田大斗(武田)、甲子園での交流試合では登板の無かった内星龍(履正社)らの好投が目立った。

 シート打撃後半の残り5投手の状況で雨が激しくなり、中断と室内練習場への変更を余儀なくされたものの、各選手が気迫あふれるアピールをし、聖地・甲子園球場で思いきり躍動する姿がまぶしい2日間だった。
 9月5日、6日に東京ドームで行われる東日本会場でも各選手が持ち味を発揮し、大きなアピールや次のステップに良い形で進むことを願いたい。