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NPBからのお知らせ

運営・制度/選手関係

参稼報酬調停に関するコメント

○熊崎勝彦委員長

調停委員会では厳正、公平に、申請内容を審議し、結論を導き出すという考えを貫いた。 その上でさらに慎重に熟慮を重ねるとともに、何としてもキャンプ前に結論を得たいと考えた。 そのために、連日、審議を重ね、約20時間の時間を要した。選手にとっても、球団にとっても報酬、お金のことは大変大事なこと。 100万円というお金は、選手にとっても、球団にとっても非常に大事だ。 だから、間違ってもおろそかな考え方、結論は出せない、慎重に熟議する必要があると考えた。 球団の主張する2億2000万円の現状維持が正しいかどうか、と同時に、涌井選手の希望額が最低でも2億7000万円という数字は正しいかどうか。 そこを議論した。
年間14勝8敗という成績、防御率3.67、ローテーションを5年間守り抜いて、二桁勝利を挙げている。 こういった実績、次年度の活躍、期待の実現性の確かさ、エース投手としてのモチベーションの維持・向上などが増額要因として働いた。 一方、マイナス要因としては、現実に2010年の活躍ポイントは、2009年より下がっている。 これは、大きな基本要因で、やはり、終盤での防御率4点台や、大事な試合でエースとして期待に応えられなかった、ということはある。 そういった要因をどの程度加味するかということを議論した。 そういったことを前提にして、「現状維持は正しくない」としても、どれくらいアップすべきかを考察し、「10%増?」「20%では多すぎる?」などを考えていたが、概ね15%増で落ち着くのではないか、と3人の意見が自然に一致した。

○石塚久委員

新制度の下、初の調停委員会となりましたが、「公平」と「バランス感覚」を大切にしながら、非常に熱心な議論を展開してきた。 (球団と選手)両者に「なるほど」と思わせる回答を出さねばならない中、プロ野球界の現場を知り尽くしている堀内委員のご意見が大変、参考になった。自分で申すのもなんだが、今回は「名調停」だと思っている。

○堀内恒夫委員

まじめな感想として疲れました。 こんなに(厚い)資料を持って歩いたのは監督時代にデータを持ち歩いて以来だ。
一昨年の成績に比べ昨年の成績、ポイントは落ちているという球団の査定ではダウンになる。 ただ、現状維持の最大の理由が「後半の大事な試合で負けた、打たれた、降板した」というのは違う。 査定ポイントで十分にマイナスとなっていて、世間的にも「君が抑えられなかったから負けた」という追及も十分に受けたと思う。 そう考えた時に現状維持という球団の主張は100ではないと思った。 涌井選手は、成績は確かに落ちたが5年間10勝以上して、ローテーションも守ってきた。 プロ野球は3年間働くことが実績の基本となる。 涌井投手が譲れないとした「2億7000万円」のラインと球団側の「現状維持2億2000万円」という数字については、涌井選手、西武球団のどちらの主張も100パーセントではないと考えた。 2億2000万円と2億7000万円の数字の間を考えていただけると、勝った、負けたかではなく、どちらがプラスの要素が多く、どちらがマイナスの要素が多かったかが分かると思うし、それを数字で示したつもりだ。 (両者の主張の)間を2億4500万円と考えると、(2億5300万円は)66パーセントにあたる。金額については、これが適切であると信じて疑いません。

○日本プロフェッショナル野球組織・加藤良三コミッショナー

2月1日のキャンプ開始前に調停結果が出たことは球団側、涌井選手側の双方にとってよかったと思う。 そのために短い期間の中で長時間に渡り、ご尽力いただきました調査委員会の熊崎委員長をはじめ、堀内委員、石塚委員には深謝いたしますとともに、心よりお礼を申し上げたい。
調停結果、および内容につきましては、調停委員会の裁定が最終のものであり、そのようなものとして受け止めている。 球団側も涌井選手側も相互理解と協調の精神を以てこれを受け止め、リーグ優勝、日本一を目指して全力を尽くして頂きたい。

○涌井秀章選手

委員の方々には、熱心に話を聞いていただいた。 また、こちらの気持ちはしっかりと伝えることができた。 これで気持ちの整理ができたので、これからは球団と一緒に、日本一を目指して頑張りたいと思います。

○涌井選手代理人・大友良浩弁護士

球団との間で話がまとまらなかったのは、(球団側の)「現状維持」との評価にあった。 本日、受け取った書面中には「現状維持の評価は合理性を欠くものと考える」と記されていたので、こちら側の主張についてはご理解いただけたものと思う。 涌井選手も今回の結果については満足していることと思う。

○埼玉西武・飯田則昭専務取締役連盟担当

球団としては、調停内容を真摯に受け止め、結果に従っていく。 委員の皆様には御礼を申し上げます。 間もなくキャンプが始まるが、涌井選手にはエースとして活躍していただき、ともに日本一へ向けて頑張っていこうとの意を強くしました。

【参稼報酬調停の要旨】