10月7日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で「2023年プロ野球ファーム日本選手権」が開催された。ファーム日本一の座を懸けて決戦に駒を進めたのは巨人とソフトバンク。巨人はシーズン最終戦で勝利を収めて2位・楽天を振り切り、5年ぶり28度目のイースタン・リーグ制覇。一方、ウエスタン・リーグはソフトバンクが2位・オリックスとのデッドヒートを制して3年ぶり14度目の優勝を果たした。
試合が動いたのは3回。巨人は先頭の菊田拡和が詰まりながら左前へ落として出塁すると、続く山瀬慎之助が犠打で送り、浅野翔吾の一ゴロの間に三進。二死三塁とソフトバンク先発の森唯斗を攻め立てると、オコエ瑠偉がフルカウントから森のツーシームをとらえ左中間へ適時二塁打。先制に成功する。
ソフトバンクも直後の4回にすかさず反撃。育成1位の新人ながら5月に支配下昇格を勝ち取って初先発初勝利を挙げ、イースタンでは8勝をマークして最多勝に輝いている巨人先発の松井颯から、新人ながら四番を任される生海が右前打で出塁し、増田珠の遊ゴロの間に二進。一死二塁から川村友斗が右前へ適時打を放ち、あっという間に同点に追いついた。
ソフトバンクは4回から早くも継投策。森からアンダースローの高橋礼にスイッチするが、これが裏目に出て巨人打線につかまる。二死から香月一也が四球で出塁し、湯浅大が右翼線に弾き返すと、右翼・笹川吉康の失策が絡まり二、三塁に。続く菊田が中前へ運んでまず2点を勝ち越す。さらに山瀬が2ボールから3球目のストレートをとらえ、左中間スタンドへ突き刺す2点本塁打。二死無走者から4点を奪ってソフトバンクを突き放した。
松井が5回を10球で三者凡退に抑えると、巨人は6回から井上温大を投入。だがソフトバンク打線が再び反撃に転じる。二死一塁から川村が放った中前に落ちる打球を中堅・オコエが目測を誤って後逸し、ボールは外野を転々。一走の増田に続き、中継が乱れる間に打者走者の川村も一気に本塁を陥れて2点を返した。
なおもソフトバンクの反攻は続く。8回に先頭のリチャードが2ボール1ストライクから甘く入ったスライダーをとらえ、左翼席中段に突き刺すソロを放って1点差に迫る。さらに生海のこの試合4本目の安打、増田の四球、川村の二塁内野安打で無死満塁とすると、笹川の二ゴロの間に同点。一死一、三塁から途中出場の渡邉陸が右犠飛を放ち、ついに逆転に成功する。
ソフトバンクは6回以降、救援陣が奮闘。6回は中村亮太、7回は泉圭輔、8回はヘルナンデスが走者を許しながらも無失点リレー。9回はウエスタンの最多セーブ、尾形崇斗がマウンドに上がり、先頭の湯浅を空振り三振、菊田を中飛、山瀬を二飛と三者凡退に斬って取り、6対5で勝利。ソフトバンクが4年ぶり5度目の日本一に輝いた。
ソフトバンクの小久保裕紀二軍監督は「一発勝負は時の運。最終的に勝つことができて、うれしかった。(8回の攻撃は)よくつながった。地味な点の取り方だが、一年間やってきたことが実を結んだ。6回以降(の継投)は、今年のホークスの戦い方」と喜びを語るとともに、「最終的に一軍の優勝を決める戦いで活躍する選手が、(巨人との)両軍から出てほしい」と期待を口にした。
最優秀選手賞に輝いたのは2本の適時打を含む3安打2打点の活躍を見せたソフトバンクの川村。「悔いが残らないようにやろうと思っていた。出来過ぎです。来年につながるようにしていければいい」と笑顔を見せた。優秀選手賞には4安打を放ったソフトバンクの生海、2点本塁打を含む2安打をマークした巨人の山瀬が選ばれている。
2023年10月7日(土)
宮崎 ◇開始 13:06 (2時間52分) ◇入場者 5,039人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
福岡ソフトバンクホークス | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 6 | 9 | 2 |
読売ジャイアンツ | 0 | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 8 | 3 |