10月5日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で「2024年プロ野球ファーム日本選手権」が開催された。ファーム日本一の座を懸けて決戦に駒を進めたのはDeNAとソフトバンク。DeNAは巨人、西武との優勝争いを制し、42年ぶり4度目のイースタン・リーグ制覇。一方、ウエスタン・リーグはソフトバンクが2位・中日とのデッドヒートを制して2年連続15度目の優勝を果たした。
DeNAの先発は新人の庄司陽斗。育成枠から支配下昇格を目指す左腕はイースタンで今季8勝をマークしている。ソフトバンクはウエスタンで10勝を挙げて最多勝に輝き、一軍でもプロ初先発初勝利を飾った前田純。両左腕の投げ合いは3回まで0対0と投手戦の雰囲気が漂ったが、4回に均衡が破れる。
先制点を奪ったのはDeNAだった。今季限りで退団が決まった2人の選手が好機を作る。大田泰示が先頭打者で中前打を放つと、二死から西浦直亨が8球粘って四球を選んで一、二塁に。益子京右の打球に二塁手・廣瀨隆太が追いついたが、グラブから球がこぼれて右前打に。この間に2人の走者が本塁生還した。
ソフトバンクは6回に2番手・三浦瑞樹を救援で起用。今季ウエスタンで防御率1.60と抜群の安定感で最優秀防御率に輝いた左腕だが、DeNA打線が襲い掛かる。フォードの右越え2ラン、無死満塁から関根大気の中前適時打と6連打で3点を追加した。フォードは7回も2打席連続の右越えソロ。フェンスの上部に当たったとインプレーで三塁打の判定だったが、その後にフェンスを越えたとして本塁打に判定が変更された。
ソフトバンクは再三の好機を生かせなかったのが響いた。2回無死一、二塁の好機でリチャードの打球は中堅・関根の好捕に阻まれ、廣瀨が三ゴロ併殺打と先制機を生かせず。5回も一死二、三塁で谷川原健太が見逃し三振、野村勇が空振り三振と庄司から決定打が出ない。7回無死一、二塁の好機、8回一死二、三塁の好機も無得点と本塁が遠い。
DeNAは庄司が伸びのある直球、相手打者のタイミングを外すチェンジアップを巧みに操り6回まで無失点。走者を毎回のように背負ったが、要所を締めて何度もガッツポーズを見せた。7回以降は石川達也、三嶋一輝の継投策でピンチを招いたが無失点で切り抜けた。9回のマウンドに上がったのはソフトバンクで長年守護神を務め、今季DeNAに移籍した森唯斗。一死からリチャードに四球、続く廣瀨に左越え2ランを浴びたが、後続を抑えて6対2で勝利を飾り、DeNAが初の日本一に輝いた。
胴上げで5度宙に舞ったDeNAの青山道雄二軍監督は、「うれしいですね。42年ぶりのリーグ優勝、日本一なので喜びが倍増ですね。(庄司は)シーズン中からローテを守ってチームを引っ張って、今日も同じような投球をしてくれました」と称えると、「庄司ナイスピッチング!」と声を張り上げた。一軍はペナントレース3位でCS進出が決定し、戦いはまだ続く。「ファームにとっては素晴らしいことですけど、一軍を目指して戦っている以上、良い経験として一軍で活躍してもらいたいなと思います」と期待を込めた。
最優秀選手賞に輝いたのは、先発で6回4安打6奪三振無失点の快投を見せたDeNAの庄司。「納得いく部分がすべてではないけど、いい方向につながったのでよかったです。最終的には一軍で活躍するのが目標。(ファーム日本選手権で先発登板という)貴重な場面を任せていただいたので、生かせるようにしたいです」と誓った。優秀選手賞は2打席連続アーチで3打点をマークしたDeNAのフォード、9回に意地の一発を放ったソフトバンクの廣瀨が選ばれた。
2024年10月5日(土)
宮崎 ◇開始 13:02 (3時間5分) ◇入場者 4,193人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
横浜DeNAベイスターズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 6 | 14 | 3 |
福岡ソフトバンクホークス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 8 | 0 |