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2025年プロ野球ファーム日本選手権

ゲームリポート

ファーム日本選手権史上最多タイ16得点の猛攻、中日が巨人を下して14年ぶり7度目のファーム日本一

 10月4日に「2025年プロ野球ファーム日本選手権」がひなたサンマリンスタジアム宮崎で開催され、ファーム日本一の座をかけて巨人と中日が激突した。巨人は優勝時点で2位の西武に11.5ゲーム差をつける独走で2年ぶり29度目となるイースタン・リーグ制覇。一方、中日は優勝を争ったソフトバンクとの最後の直接対決3連戦で3連勝を飾り、大逆転でウエスタン・リーグを制して14年ぶり17度目の優勝を飾った。

 巨人の先発は育成2年目の園田純規。今季は6月の二軍公式戦デビューから13度の先発を含む14試合に登板して無傷の8勝、防御率1.42をマークした右腕だ。中日は入団3年目となるドラフト1位右腕の仲地礼亜。今季は一軍での登板は1試合に終わったものの、ウエスタンでは8勝6敗、防御率2.81を記録している。

 試合は2回にいきなり動く。中日は先頭の川越誠司が相手の失策で出塁すると森駿太が右前打で続き、駿太の投ゴロで一死二、三塁に。宇佐見真吾の左前適時打で先制すると、続く村松開人が右翼の頭上を越える適時二塁打を放つ。さらに一死二、三塁から尾田剛樹の二ゴロの間に三走が生還。中日が3点の先制に成功する。

 4回の中日は相手の守備の乱れを見逃さなかった。この回から登板した左腕の又木鉄平に対し、先頭の駿太が左前打で出塁。続く宇佐見はボテボテの一ゴロとなるも、打球を処理した荒巻悠が一塁へ悪送球。一死二、三塁から尾田がきっちりと中犠飛を放って1点を追加した。今季、打率.308でウエスタン首位打者に輝いた尾田だが、安打を放つことなく2打席連続で打点をたたき出した。

 6回にも中日は又木の制球の乱れを突いて得点を重ねる。一死から駿太の四球、宇佐見の死球、村松の四球で満塁とすると、尾田が今度は中前にはじき返す適時打で3打席連続の打点を記録。巨人は宮原駿介に投手交代するも、土田龍空が初球を右前に運び6点目を奪うと、二死満塁からチェイビスが右中間を破る走者一掃の3点適時二塁打を放って試合を決定づける。さらに7回に駿太の2点本塁打が飛び出すと、9回には尾田の4打点目となる左犠飛、土田の4安打目となる2点適時二塁打など打者一巡の猛攻で5点を追加。最後まで攻撃の手を緩めなかった。

 巨人は序盤の好機で1本が出なかったことが響いた。3回は先頭の山瀬慎之助の四球、荒巻のチーム初安打となる右前打、石塚裕惺の一犠打で一死二、三塁の好機をつくる。しかし、続く宇都宮葵星の強烈なゴロを一塁のチェイビスが捕球し、素早く本塁へ送球して三走の山瀬を封じる。さらに二死二、三塁から佐々木俊輔が三塁の頭上を襲うライナーを放つも、森駿のジャンプ一番の好捕で得点を奪えない。4回も相手の失策に乗じて一死一、二塁とするも、岡田悠希が空振り三振、山瀬が中飛に倒れ、試合の主導権を奪い返せなかった。

 中日の先発・仲地は力強いストレートを軸に、スライダーやカーブといった変化球を交えながら巧みにコーナーを突いて巨人打線に的を絞らせず、6回途中まで83球を投げて3安打2四球6奪三振、無失点の好投を見せた。以降は三浦瑞樹、松木平優太とつなぎ、9回に森山暁生が3失点を喫したものの、最後は根尾昂が締めて16対3で勝利。中日が14年ぶり7度目の日本一に輝いた。ファーム日本選手権での16得点は2002年の阪神に並ぶ最多タイとなる。

 中日の落合英二二軍監督は、「シーズンの勢いそのままに宮崎へ乗り込んで、いいゲームができた。野手は何の文句もなく、よく打ってくれた」と手放しで称えたあと、先発の仲地に「5回(6回途中)まで踏ん張ってくれたおかげで、こういうゲームの流れができた。来年につなげて一軍の舞台でこうしたピッチングをしてほしい」と労った。

 最優秀選手賞に輝いたのは、その中日の仲地。「試合をしっかりつくれるようにと思っていた。バッター陣が打ってくれたおかげで、テンポよく投げることができた」と攻撃陣に感謝した。優秀選手賞は適時打を含む4打点の尾田、4安打3打点の土田と、中日の攻撃をけん引した2人が手にしている。

2025年プロ野球ファーム日本選手権

2025年10月4日(土)
宮崎 ◇開始 13:02 (3時間39分) ◇入場者 4,504人

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 H E
中日ドラゴンズ 0 3 0 1 0 5 2 0 5 16 16 2
読売ジャイアンツ 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 7 2
バッテリー
【中】 仲地三浦松木平森山根尾 ‐ 宇佐見味谷
【巨】 園田又木宮原森田菊地今村 ‐ 山瀬坂本達
本塁打
[中] 駿太 (7回2ラン 森田