7月23日、長崎ビッグNスタジアムで「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2022」が行われた。長崎では2014年以来、8年ぶりの開催だ。注目の先発はイースタンが達孝太(日本ハム)、ウエスタンが森木大智(阪神)。高卒ドラフト1位ルーキー同士の投げ合いで試合はスタートした。
緊張の立ち上がり。達はウエスタン一番の遠藤成(阪神)に対して初球に続いて2球目もストレートを投じる。しかし、真ん中に吸い込まれた1球を遠藤が見逃さず、右中間席へたたき込む先頭打者弾。遠藤は「真っすぐが速い投手だったので、低いライナーを意識していました」としてやったりの表情を見せた。一方の森木は二死後、右前打、四球で一、二塁のピンチを招いたが、山本大斗(ロッテ)を空振り三振に。1イニングのみだったが達も森木も2奪三振と大器の片りんを見せた。
ウエスタンは2回にイースタン2番手の赤上優人(西武)を攻め立て、二死三塁から藤田健斗(阪神)が三塁線を破る適時二塁打。「遠藤に先を越されたので、自分も負けないように」と気合のこもった一打を放った。ウエスタンは5回にはイースタン5番手の三浦銀二(DeNA)に襲い掛かる。2安打、1四球で無死満塁とすると福元悠真(中日)がカットボールを左前に運び1点追加。一死後、さらに満塁で小林珠維(ソフトバンク)が中犠飛を放ち、4対0とリードを広げた。
イースタンは5回二死一、三塁からウエスタン5番手の福島章太(中日)のワイルドピッチで1点を返す。続く6回にはウエスタン6番手としてマウンドに上がった“ナックルボーラー”の坂田怜(広島)から一死満塁とチャンスをつかむと、またしてもワイルドピッチで1点。さらに池田来翔(ロッテ)が右犠飛、再び坂田がワイルドピッチを犯し、イースタンが4対4の同点に追いついた。試合は振り出しに戻ったが、イースタンは7番手の豆田泰志(西武)、8番手の廣畑敦也(ロッテ)、ウエスタンは7番手の松木平優太(中日)、8番手の岡留英貴(阪神)がそれぞれ7、8回を無失点に抑える。
迎えた最終回。イースタンのマウンドには9番手の宮森智志(楽天)が上がる。宮森は一死から緒方理貢(ソフトバンク)に右前打を浴び、続く遠藤の打席で初球に盗塁を仕掛けられるが、捕手の萩原哲(巨人)が見事な送球で二盗を阻止。宮森はさらに四球で走者を背負うも、最後は渡部遼人(オリックス)を二塁ライナーに打ち取り、ゼロで切り抜けた。その裏、ウエスタンは9番手の大道温貴(広島)がマウンドへ。イースタン打線は先頭の梶原昂希(DeNA)が二塁手の悪送球で出塁すると、すかさず二盗に成功。有薗直輝(日本ハム)は一邪飛、山本大斗は左飛に倒れ二死となったが、萩原は四球でつないで一、二塁に。打席にはこの日、途中出場で2四球の赤羽由紘(ヤクルト)。ストレート2球を空振りと赤羽は簡単に追い込まれたが、続く3球目、真ん中低めのストレートを強振すると打球は左翼席へ飛び込む劇的なサヨナラ3ランに。イースタンが7対4で勝利し、通算成績はイースタンの22勝29敗6分けとなった。
最優秀選手賞(MVP)には、サヨナラ本塁打を放った赤羽が輝いた。ヒーローインタビューで赤羽は「つないでくれて回してくれたので、絶対に打ってやろうと思いました」と笑顔を見せた。また、優秀選手賞は先頭打者本塁打を放った遠藤と、4安打2盗塁をマークした梶原が受賞。ホームランに始まり、ホームランに終わった若き祭典は野球の醍醐味が詰まっていた。
2022年7月23日(土)
長崎ビッグNスタジアム ◇開始 18:04 (2時間53分) ◇入場者 8,204人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
ウエスタン・リーグ選抜 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 9 | 1 |
イースタン・リーグ選抜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 3x | 7 | 8 | 2 |
[ウ] | 森木(T)、宇田川(B)、小木田(B)、田上(H)、福島(D)、坂田(C)、松木平(D)、岡留(T)、●大道(C) - 藤田(T)、味谷(D) |
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[イ] | 達(F)、赤上(L)、徳山(DB)、柴田(S)、三浦(DB)、直江(G)、豆田(L)、廣畑(M)、○宮森(E) - 古川裕(F)、萩原(G) |
[ウ] | 遠藤(T)(1回ソロ 達) |
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[イ] | 赤羽(S)(9回3ラン 大道) |