7月18日、富山市民球場(アルペンスタジアム)で「プロ野球フレッシュオールスターゲーム2023」が行われた。富山では2011年以来、12年ぶりの開催だ。注目の先発はウエスタンがルーキー左腕の門別啓人(阪神)、イースタンが2年目右腕の小園健太(DeNA)。若き逸材同志の投げ合いで試合はスタートした。
初回、イースタンは積極的にスイングを仕掛けていく。一番・浅野翔吾(巨人)、三番・松尾汐恩(DeNA)、四番・矢澤宏太(日本ハム)が初球を狙い打って安打。一死満塁と大チャンスを迎えたが、「自分のピッチングをすれば抑えられる」と気合が増した門別の前に蛭間拓哉(西武)が見逃し三振、友杉篤輝(ロッテ)が一邪飛に倒れ得点を奪えず。その裏、ウエスタンは一死から中村貴浩(広島)が四球、野口智哉(オリックス)が右前打で一、二塁とチャンスをつくると森下翔太(阪神)が外角直球を右中間へ。「打った瞬間はすごくいい感触でした」という四番の一撃でウエスタンが2点を先制した。
2回からイースタンは二番手の菊地吏玖(ロッテ)が登板。ドラフト1位右腕はキレのある直球を主体に三者凡退に抑え込む。 ウエスタンは3回から前日、支配下昇格したばかりの木村光(ソフトバンク)をマウンドへ。2ケタのユニフォームが間に合わず、「160」を背負ったまま晴れ舞台に登場した1年目右腕は小気味いいピッチングを見せ3人で抑え切る。
ウエスタンが追加点を奪ったのは3回だ。二死から野口がイースタン三番手・竹山日向(ヤクルト)の内角高め直球をフルスイング。“確信歩き”をするほど完璧な打球は右翼ポール際に吸い込まれるソロ。「確信しちゃって、途中で恥ずかしくなって早く走り出しました」と照れ笑いを浮かべた一撃でウエスタンが3対0とした。
5回までウエスタンが繰り出した4投手にゼロに封じ込まれていたイースタンは6回に反撃。松本晴(ソフトバンク)から友杉、北村恵吾(ヤクルト)が連打で無死一、二塁とすると平良竜哉(楽天)がライトへ適時打。二走・友杉が生還し1点を返すと、さらに無死満塁から浅野の一ゴロを捕球した内田湘大(広島)がホームへ悪送球。イースタンは1点差に迫ったが、続く辰見鴻之介(楽天)は空振り三振、古市尊(西武)は遊ゴロ併殺打で同点に追いつくことはできなかった。
ウエスタンは7回にイースタンを突き放す。この回からマウンドに上がった林優樹(楽天)を攻め立て一死二、三塁とすると井坪陽生(阪神)が「大振りになっていたので、1ストライク取られてからコンパクトにいきました」と右中間へ2点適時二塁打。さらに野口、森下の連続適時打で2点を加え、7対2とリードを広げた。
8回に浅野のタイムリーで1点を失ったウエスタンだが、9回は桐敷拓馬(阪神)がマウンドへ。今季、一軍でプロ初勝利をマークした左腕は伸びのある直球を主体に三者凡退に仕留め、ウエスタンが7対3で勝利を手に。通算成績はウエスタンの30勝22敗6分となった。
最優秀選手賞(MVP)には3安打3打点の森下が輝いた。ヒーローインタビューで「(本塁打を放った)野口さんじゃなくて大丈夫ですか?」と笑いを取ったが、「積極的にいくのが取り柄。右投手、左投手の両方を打てたのが大きな収穫だと思います」と笑顔を浮かべた。また、優秀選手賞は本塁打を含む3安打2打点の野口と、3安打1打点の平良が受賞。将来の球界を背負って立つ逸材のハツラツとしたプレーが若き祭典を盛り上げた。
2023年7月18日(火)
富山市民球場(アルペンスタジアム) ◇開始 18:07 (2時間29分) ◇入場者 12,529人
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | H | E | |
イースタン・リーグ選抜 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 | 13 | 1 |
ウエスタン・リーグ選抜 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | X | 7 | 10 | 1 |
[イ] | ●小園(DB)、菊地(M)、竹山(S)、高野(M)、井上(L)、深沢(DB)、林(E)、山田(G) - 松尾(DB)、古市(L)、山瀬(G) |
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[ウ] | ○門別(T)、木村光(H)、曽谷(B)、仲地(D)、松本晴(H)、益田(C)、入山(B)、桐敷(T) - 渡邉陸(H)、山浅(D)、福永(B) |
[ウ] | 野口(B)(3回ソロ 竹山) |
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