【記事】最大の注目は大谷翔平。武田勝のために日本一を!
大逆転Vを遂げた北海道日本ハムの投打のキーマンは、やはり大谷翔平だ。投げては2ケタ10勝、打っては22本塁打。日本シリーズ進出を決めたCSファイナルステージ第5戦では、9回のマウンドに上がって自身の持つ日本記録を更新する165キロを3度マークするなど、進化し続ける驚異の二刀流がチームの命運を握る。
その大谷が第1戦での先発が濃厚。舞台となるのは広島東洋の本拠地・マツダスタジアムで、DH制は採用されないだけに“リアル二刀流”でチームを勢いに乗せる。さらに、増井浩俊、有原航平、高梨裕稔ら2ケタ勝利がズラリ。豊富な先発陣を擁し、日本一までのプランは盤石だ。救援陣も石井裕也、宮西尚生の両左腕に、谷元圭介、バースの両右腕と左右のバランスも抜群。抑えのマーティンは欠場濃厚も、それを補うだけの強力投手陣が広島東洋打線と対峙する。
多彩な攻撃を仕掛ける打線の軸を担うのは、四番・中田翔。今季、110打点を挙げてタイトルを獲得したバットマンの前に、どれだけ塁を賑わすことかできるか。巧打の一番・西川遥輝、二番・中島卓也の出塁がカギを握る。
一方で、六番には39ホーマーを放って本塁打王を獲得したレアードが控えており長打力も十分。西川、中島卓也、そして五番の田中賢介は足もあり、機動力も使える。CSファイナルステージ第5戦では、中島卓也のスクイズで決勝点を奪うなど、小技も駆使し、あらゆる手法で得点を奪えるのは最大の強みだ。
収容人員、約4万人を誇る本拠地・札幌ドームには、多くのファンが詰めかけ、その声援がナインを後押しするだろう。さらに、応えなければいけない“ゲキ”がある。「俺のために日本一になれ」。長くチームを支えてきた左腕・武田勝が今季限りで現役引退を表明し、チームメートにエールを送った。むろん、選手たちも10年ぶりの“栄冠”を贈るつもりだ。投打の総合力は申し分なし。北の大地に栄冠をもたらしてみせる。